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アメリカ栄養士だより

第1回:アメリカの登録栄養士(RD)資格について

はじめまして!アメリカのRD事情についてのコラムを担当する事になりました一政晶子です。現在、臨床栄養士として米国アリゾナ州フェニックス市にある急性期病院に勤務しています。
これから毎月、様々なRD関連情報をコラムでお伝えする予定ですので、よろしくお願いします!
第一回目はRD資格についてです。

【RD資格とは】

RDは登録栄養士(Registered Dietitian)の略でアメリカ栄養士会(ADA)の登録商標です。RDになるためには、ADAの定めた教育プログラムを終了し、ADAの新任組織であるCDR(Commission on Dietetic Registration)という栄養士登録委員会の認定試験に合格し、登録しなくてはいけません。日本では管理栄養士試験に合格すれば一生資格を維持する事が出来ますが、RD登録を維持するためには、5年ごとに75ポイント分の栄養関連単位を取得し、登録を更新しなければなりません。インターンシップを含む教育プログラム・登録制度等の違いから、管理栄養士が英語でRDと訳される事もあるようですが、厳密には異なるものだと感じています。

日本では栄養士から管理栄養士になる事が出来たり、栄養士と管理栄養士の仕事や給与の境界線がはっきりしていない事もあるようですが、アメリカではダイエットテクニシャン(栄養士)が経験を積んだからといって、RDになることは出来ません。勉強する内容、専門知識に大きな違いがあるため、ダイエットテクニシャンとRDの仕事内容、給与などには明確な違いがあります。RDは栄養のエキスパートとしての立場が確立していると思います。

【RD資格で活躍出来る分野と報酬】

RDには様々なキャリアオプションがあります。以下に示す7つが主な分野です。

マネージメントRD(Management RDs)
ヘルスケア施設、学校、レストラン、カフェテリア、食品・栄養会社、ヘルスケア企業などに勤務。人材確保、メニュープランニング、予算、購入、マーケティング、広報などの分野でマネージメントを行う。
臨床RD(Clinical RDs)
医療チームの一員として、病院、ナーシングホーム、リハビリクリニック等に勤務。様々なメディカルニュートリションセラピーを行う。
コミュニティーRD(Community RDs)
政府の援助を受けている、デイケア、在宅ヘルス、フィットネスクラブ、レクレーションセンター、シニアセンターなどに勤務。市民へ栄養情報を伝えたり、様々な健康関連プログラムや政策を立てたりする。
教員者RD(Educator RDs)
大学、短大、専門学校などに勤務し、医師、看護師、登録栄養士、ダイエットテクニシャンなどを目指す学生に対し栄養関連科目の教育を行う。
リサーチRD(Research RDs)
政府機関、製薬会社、大学やメディカルセンターなどに勤務。新しい科学の発見を一般に広める。代替食品を開発したり、摂取するべき栄養量などの研究も行う。
コンサルトRD(Consultant RDs)
一般的にヘルスケア施設と契約して、臨床RDまたはコミュニティーRDとして勤務。個人開業するRDもいる。顧客のニーズに合わせて様々な分野で仕事を行う。
ビジネスRD(Business RDs)
食品製造会社、製薬会社などに勤務。プロダクトディベロップメント、セールス、マーケティング、広報、パブリックリレーションなどに関わっている。

アメリカ栄養士会によると、2002年のRDの年収中間値は、急性期臨床RDは465万円、療養型施設RDは494万円、コミュニティRDは492万円、教育者RD・リサーチRDは625万円、フードサービス・栄養マネジメントRDは627万円、外来専門RDは502万円、ビジネス・コンサルトRDは684万円となっています。これからのコラムで、それぞれの分野で活躍しているRDの様子もお伝えしていきたいと思っています。※1ドル114円で換算しています。

【RDになる方法】

アメリカで登録栄養士になるためには、4年大学、または大学院で必要な科目を取得し、最低でも900時間のインターンシップ終了し、RD試験に合格しなくてはいけません。大学には、インターンシップが組み込まれたコーディネートプログラムと、インターンシップが含まれていないプログラムがあります。学生が集まりにくい地域になる大学はコーディネートの場合が多いという噂を聞いたことがあり、妙に納得したことはありますが、真相は明らかではありません。コーディネートでない大学に入学した場合は、卒業後にインターンシップに応募することになります。インターンシップの期間は半年から1年程度が一般的です。インターンシップでは、就職後にすぐ実践力となれるように様々な経験を積みます。しかしながら、このインターンシップに入るのは容易ではありません。合格するために、多くの学生は良いGPA(大学での成績)を目指し、アルバイトやボランティアを通して、栄養分野での経験を積んで努力しています。成績があまり良くなかったり、仕事の経験のない場合は、インターンシップに合格する可能性が低くなります。アメリカでは、漠然と栄養学学部に在籍しているだけではRDになるのは難しく、向上心の高い学生が多いと感じています。コーディネートではないプログラムに入った場合は、大学卒業の時期とインターンシップ開始の期間が長かったり、州外のプログラムへ入るために引越しをするケースも多いので、日本から留学される方には、出来るだけコーディネートプログラムに入学されることをお勧めしています。

アメリカのRDのしくみ、活躍出来る分野、資格の取得方法などが伝わりましたでしょうか?次回はRDを目指す学生が入学するDIETETICS学部(応用栄養)、インターンシップの詳しい内容を私の経験や写真を含めてお伝えします。お楽しみに!


一政晶子(Akiko Ichimasa)
管理栄養士(日本)・米国登録栄養士。アメリカの急性期病院で働く現役臨床栄養士。調理師学校を卒業し、パーソナルシェフの経験もある。栄養士・管理栄養士向けの雑誌・ウェブサイト等での執筆活動、栄養関連コンサルトも行っている。また、個人サイトである、アメリカの食と栄養情報 AKI’S PLACEを管理している。

 

ウェブサイト:http://www.geocities.jp/louxaki

 

 

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