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かかりつけ栄養士を目指して

2015年03月01日

平成19年~平成25年
高齢者福祉施設にて、管理栄養士業務に7年間携わる。
オープニングスタッフとして、栄養・厨房課の立ち上げを経験。
⇒栄養ケア・マネジメント業務を中心に、給食管理、施設運営等を担当し、いつまでも普通の食事に近いもので、”口から食べる楽しみ”を味わっていただくことに尽力する。

平成25年~フリーランスとして活躍
各自治体にて、介護予防教室講師、食生活改善事業に従事。
また、一般社団法人健康栄養支援センター高齢者栄養部に所属し、栄養料理教室や講演を行う。

平成26年~
上記を継続しながら、健診専門クリニックと連携して、特定保健指導を担当。
また個人として、在宅介護食の勉強会、からだが喜ぶ料理・菓子レッスン、スイーツ店とのコラボ商品開発、レシピ監修、食を中心とした交流会の開催、モデルなど様々なご縁をいただき、現在に至る。

ご自身の強みはなんですか。

 ひとつの事柄をプラスにしていく力が強いところです。ビジネスチャンスはどこに落ちているかわかりません、そしてどんなご縁で拡がるかもわかりません。
 それをいかに拾い上げるか、積極的に行動していくか、ピンチのときでもチャンスに変えていけるかなど、専門家として、日々、知識や経験の更新はもちろん必要ですが、それ以外の知識やご縁もどんどん拡げていくことがフリーランスとして活動するには、必要であると思います。
 自分だけでなく、大切な人や関わる人の笑顔がみられるような仕事をしていく、ひとつひとつ丁寧に、また期待を超えるものを提供できるようにしていきたいです。

現在の仕事のやりがい 及び 過去の経歴で活かせていること①

 「介護予防教室」では栄養講話を担当しています。それまでの施設入所者対象とは全く異なり、介護予防目的ですので、同じ高齢期でも新たな勉強の場となっています。
 高齢期の方でも、痩せたいと思っている方が意外と多く、正しい知識やいつまでも元気で過ごせることができるような日々の生活の送り方など、日常生活に取り入れやすい方法でアドバイスができるように気を付けています。

 「食生活改善事業や特定保健指導」では、健康な方が対象です。
ここでは、未来のからだのために今できることを、対象者ご自身が気づき、実践できるようサポートをしていますが、単なる栄養の知識だけではなく、行動変容や心理、生活習慣全般に関することなど、幅広いネタをもつことが求められてきます。
 限られた時間の中で、対象者の話を聴きながら、やる気スイッチを引きだし、自身でそのスイッチが押せるよう促すことが重要になってきます。
 型にはまらず、その方に応じた指導が出来るよう、まだまだ勉強中です。

現在の仕事のやりがい 及び 過去の経歴で活かせていること②

「健康栄養支援センター」では、栄養料理教室や講演などの講師もさせていただいております。
 単発でのクッキングはもちろん、シニアの食に特化したクッキングも開催しております。シニア特有の様々な体の変化や悩みに対して、各回テーマに沿った体の変化を理解し、栄養のバランスや調理の工夫など食事で気をつけるポイントをお伝えし、本人、介護者、介護福祉関係者の方々が学べるような場・そして悩みを気軽に相談できる場を提供しています。
 食べられたらなんでもいいではなく、シニアの体の変化に応じた”食べやすい、且つおいしい食事”を大切にしています。
 また、在宅介護も年々増えているのが現状です。家族と一緒のものを味わったり、「家庭内で実現可能なもの」=「いかに食卓レベルに落とし混んでいくか」口から食べる喜びを感じれるか、負担が大きくならないような適度な手のぬきどころの提案をする、などに重点を置いています。
 施設で働いているときに、食事が生活の中で大きなウェイトを占め、食事の力の偉大さを目の当たりにしていたこと、また自宅で母の介護をして10年になりますますが、その経験から、提供側・介護者家族側の両面からサービスの提供ができていると感じております。

その他、レシピ監修や商品開発については、最近はお菓子に関する仕事をいただいております。
 母の影響で、小さい頃からお菓子作りが得意であったこともあり、施設でもよく手作りのお菓子を提供していました。お菓子は悪者にされがちですが、上手に付き合うことで、こころもからだも潤すことができます。
 「みえる素材、シンプルな工程、作り手の想い」にこだわり、ぬくもりを感じるお菓子、からだが喜ぶお菓子、健康・美容にもよいお菓子を、 作るだけでなく、お菓子との上手な付き合い方も併せて、ご提案させていただいております。

今後のキャリアビジョン

 大きな目標は、”かかりつけ栄養士”になることです。特に、在宅栄養に介入していけるようになりたいです。
 私は、在宅訪問管理栄養士の認定を受けておりますが、いまひとつ活かせていないのが現状です。在宅における管理栄養士の介入は まだまだこれからの道であり、かかりつけ医があるように、地域の方々が食について、いつでも気軽に相談できる”かかりつけ栄養士”になりたいです。
 病院・施設と在宅の架け橋になったり、 介護事業所との連携を図ったり、介護する側の食に対する不安を少しでも和らげ、介護される側も最後まで口で「おいしい」を感じるよう、食べる喜びを感じられるサポートをしていきたいです。
 
 もうひとつは、おいしいをきっかけに、食に対してより興味をもつ人が増えるようなことをしたいです。
 なんでも、どこでも手に入る現代、食べ物・食べ方など、自分でしっかり選んでいける力がついてこそ、からだを大切にしながらも、食を思いっきり楽しめる。そして、最高の笑顔で過ごし、 輝く人生を送ることができる。そのために、簡単に続けられることや遊び感覚を取り入れながらできるような食・健康についての“未来への種まき”をお手伝いしていきたいです。

フリーランスを目指している方へメッセージ

 これからは個が輝いていく時代です。管理栄養士・栄養士も一般の人に身近に感じてもらえるよう、見つけてもらえるように発信していくことも必要だと思います。フリーランスにしても、組織の中で 活動するにしても、何をするにも、これからは、さらに”自分軸”をしっかりつくり、ブレない想いや志を持つことが大切になってくると思います。
 目標・目的を持ち、そのために何をするか、次に繋げるためにはどうするか、常に考えながら、行動していく。そのようなことを、管理栄養士・栄養士個々人が、様々な場面で行うことで、 この業界ももっと魅力あふれるものになっていくはずです。食を通して、社会を輝かせられるよう、 管理栄養士・栄養士が影響を与えられる存在になっていきたいですね!!

セフティライフより

 フリーランスでご活躍中の管理栄養士M.Kさん。
フリーランスで働くということは、ビジネスをすることです。人脈を広げ、仕事へつなげるチャンスを逃さない!M.Kさんのような方が、ビジネスとして仕事を増やすことで、多くの方の健康が維持・増進されていくということにつながります。
 もちろんM.Kさんは、ビジネスとしてというよりは、世のため人のためにという意識が高い方だと思います。
 しかし、フリーランスで活躍するということは、仕事がなければ、自分の生計がたてられなくなってしまいます。「仕事がこない」これがフリーランスで働く大きなリスクだと思います。
 M.Kさんのように仕事が来るようになるまで、大変なことも多いかと思いますが、M.Kさんのメッセージにもあったように自分軸をしっかりつくり、何があっても前向きにブレない意志をもち続ける!これがフリーランスという働き方を選ぶ方には重要な素質になってくると思います。

 今までの経歴を活かし、前向きにチャンスを広げ活躍しているフリーランスの一人であるM.Kさん。今後の活躍も注目です。