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《栄養士☆成功事例インタビュー》管理栄養士 嶋田雅子さま③ ~管理栄養士としての「結実」を目指して~
2016年05月13日
栄養士☆成功事例インタビュー第3回目。公益社団法人地域医療振興協会
ヘルスプロモーション研究センターにて研究員としてご活躍されている
管理栄養士の嶋田雅子さんの3回目をお届けします。2回目では嶋田さんが
結婚や出産というライフステージの変化の中で「働き方」を変えざるを得ない
現状に対して管理栄養士として「選ばれて」働いてきた結果とその背景に
ついて語っていただきました。
3回目の今回は子育てが一段落したという再びのライフステージの変化の
中で「結実」を目指して動き出した今について語っていただきました。
まずは嶋田さんの簡単なプロフィールを確認してから第三部に入ってまいりましょう!
• 女子栄養大学 栄養学部栄養学科卒業後
• 女子栄養大学 栄養科学研究所 栄養クリニックにて約7年間勤務
• その後 結婚~出産を機にパートタイムや非常勤の形で
• 「保健センターでの臨時職員及び栄養指導の受託」
• 「健保組合の保健事業の委託を受けた企業での保健指導業務」
• 「内科クリニックでの外来&在宅訪問栄養指導」
• 「居宅介護支援事業所での介護支援専門員業務」
• そして「農林水産省消費・安全局の食育担当課のアドバイザー」を歴任
• ほぼ同時期に女子栄養大学や栄養士養成専門学校での非常勤講師も担当する。
また、各業務で必要となる
• 「介護支援専門員(ケアマネージャー)」「NR・サプリメントアドバイザー」
「在宅訪問管理栄養士」「健康運動指導士」の資格も並行して取得。
毎回、圧倒される実績です。
【第三部】の今回は人生の次のステージに管理栄養士としての結実を目指した次の一歩について伺いました。
地域医療振興協会のお仕事についてお話されている嶋田先生
1つ1つ分かりやすくインタビューに答えて下さる嶋田先生
ショクライフコンサルタントの麦島の質問に耳を傾ける嶋田先生
◇「公益社団法人地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター・研究員」というステージへ
※今回も学習院女子大名誉教授の江口泰広氏とショクライフコンサルタント麦島健生
との対談形式でインタビューを行いました。臨場感を大切にお届けしたいと考え、
対談形式の構成となっております。〈編集部〉
✲江口先生)
ところで、地域医療振興協会というのはどのような活動をされているんですか?
✲ 嶋田先生)
自治医科大学の卒業生が、建学の趣旨を実現する組織として立ち上げた団体で、
へき地等にある病院や診療所の運営や医師の派遣を行うなど、へき地等の医療の
確保と質の向上を図り、地域を元気にすることを目的に活動をしています。
今年は創立30周年になりますが、昨年は年間延1万人以上の医師を全国に派遣し、
運営している医療・複合施設は全国68か所あります。
僻地の医療についての支援をしていたんですよね。医師が不足したり、
過疎化してきて町の人たちだけでは運営できなくなってきているような
国保の診療所だとか、公立の診療所などの医療支援をしている協会なんです。
✲江口先生)
なぜ、そこに就職したんですか?
✲ 嶋田先生)
実は、この協会や今所属しているヘルスプロモーション研究センターの存在は
就職するまでまったく知りませんでした。
2年前くらいからヘルスプロモーション研究センターの活動方針が
見直され、全国に医療施設がある強みを生かして、これまで以上に
医療施設やその施設がある自治体と協働した健康づくりをすすめることになり、
現場の実務経験がある管理栄養士を探していたようです。
採用当時センター長だった方が役所や大学関係者に求人の相談をされて、
農林水産省に非常勤で働いていた私にも声をかけて
いただきました。話を聞いて、すぐにここで働きたいと思いました。
✲麦島コンサルタント)
なぜ地域医療振興協会で働きたいと思ったんですか?
✲ 嶋田先生)
クリニックも農林水産省も非常勤でしたから、いつまでそこで働ける
かもわからなかったですし、子どもも大きくなって、そろそろ常勤で働きたい
と思っていたところだったんです。
ちょうど良いタイミングでお声をかけてもらえ、本当に有難く思っています。
これからますます高齢者が増え、在宅医療や地域包括ケアが必要とされる中で、
管理栄養士だけでなく、ケアマネをはじめ、これまで取得した資格や経験を
生かせる職場だと思い、就職を決めました。
✲江口先生)
機会は自分で招くんですよね。運はきちんと色々実施してきた
人にはやってくるんですよね。機会が来た時にその機会を、
機会として受け取れるかはこれまでの経験如何ですよね。
✲ 嶋田先生)
単なる管理栄養士という資格だけではなく、ケアマネはじめ色々な現場の
経験があるをもっていることでお声かけ頂いたんだと思います。
私も、地域でヘルスプロモーションを推進していくにあたり、これまでの
経験が生かせると思いました。個別の栄養相談など個々のアプローチで
行動や健康状態が変わっていくことにやりがいは感じていましたけど、
地域ぐるみで、その地域全体の健康づくりを考えるという、新体制で
活動の構想にとても魅力を感じました。今までの経験を生かし、
さら視野を広げることができると思いました。
✲江口先生)
成功とはこのようなことを言うんだよね。華やかに表彰されることだけが
成功ではないんですよね。成功という概念は色々ありますけど、
嶋田先生は多くの努力があったからこそ、成功につながっているんですよね。
✲ 嶋田先生)
生活のステージと仕事のタイミングが丁度良く重なったなと感じています。
それはとてもラッキーでした。
◇成長への意識と行動、そして成功
✲江口先生)
実は、アメリカのビジネススクールに行くと、自分だけの成功の定義を
示すように言われるんですよ。自分の成功の目標に向かって、
その定義を決めていくようになるんです。目的に向かって行動する
ことが重要と言われていますが、嶋田先生の場合は、それを自然に
行ってきたんでしょうね。本当に成功につながっていますよね。
✲麦島コンサルタント)
これまでの努力が成功につながってきたと感じますが、失敗なども
経験なさっているんでしょうか?
✲ 嶋田先生)
もちろん仕事上の細かい失敗は沢山あります。
ただ、仕事はそれぞれが短期でしたし、やりたいことを
選んで仕事をしてきたので挫折というか、辛かったという
経験は無いかもしれません。出来ることをやってきたという
感じですね。
ただ、仕事をはじめるとつい家庭より仕事の比重が大きく
なっていき、家族間のコミュニケーションがとれなくなり
ギクシャクしたり、子供の事で学校から呼び出されたり・・・
ということもありました。そういった時は、仕事を継続できる
かは考えましたね。
✲麦島コンサルタント)
家庭のことで仕事についてどうしようかと悩んだ時はどうなさったんですか?
✲ 嶋田先生)
私が私らしく生活できるのは、仕事をしているから時かな?
と感じたので、親や友人にも助けてもらいががら仕事は続けてきました。
仕事をやめたからといって全てがうまくいくかどうかもわからないですし。
仕事が楽しかったんでしょうね。
✲江口先生)
私が私らしくと言う考えは大切ですよね。
現代の女性にはその考え方が強くなってきているかもしれないですね。
私らしい成功とはなんなのかなと考えると、仕事を楽しいと感じ、大きな
問題が無く進んでこれたことでしょうか。
✲麦島コンサルタント)
嶋田先生は試練を試練と考えなかったんでしょうね。
✲江口先生)
ポジティブに生活してきたんでしょうね。
自分らしくというのはとても重要ですよね。専門職の方は
“自分らしく”は必要なことですよね。
ちなみに、今後はどのようなお仕事をされていくんでしょうか?
✲ 嶋田先生)
今は、奈良県の明日香村や、神奈川県の真鶴町、群馬県の
嬬恋村などで、そこにある診療所や自治体と協働して、
減塩対策や高齢者のフレイル予防など、それぞれの地域の
課題に合わせた予防活動に取り組んでいます。
医療過疎地でも地域の人たちがいつまでも元気で暮らせる
ように専門職の支援だけでなく、住民の方が主体的に健康づくりに取り組める
体制や環境づくりに取り組んでいきたいと思っています。
✲麦島コンサルタント)
そうなるとこれまでの経験が本当にそこでの活躍に繋がって
行きますね。嶋田さんに任せられる内容がいくつもありますからね。
☆嶋田先生の【第三部】はここまで・・・
第三部では嶋田先生の管理栄養士としての新しいステージ、
そして今までの活動の「結実」を目指したスタートについて
語っていただきました。
1つ1つが未来に繋がっていくという事が嶋田先生の
仕事ぶりから見えて来ました。「今」の一歩一歩が
確実に「未来」の自分にたどり着く。大切な事実を学ばせて
いただきました!!
さて【第四部】では・・・
嶋田先生から仲間であり、同志である栄養士・管理栄養士へ
「伝えたいこと」が語られています。どうぞご期待ください。