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春の食材 ~ふき~

2014年07月23日

 ふきの旬は3~5月。ゆでて皮をむくのがちょっと大変ですが、一手間かけても、春の香りと味を楽しみたい食材です。

ふきは日本原産の野菜

 ふきはキク科のフキ属に属し、数少ない日本原産の野菜のひとつです。ふきは冬に黄色の花を咲かせるところから「冬黄(ふゆき)」がつまって「ふき」と呼ばれるようになったそうです。
 北海道から琉球諸島、朝鮮半島、中国に分布し、野生のものも採取・利用されますが、現在の栽培種はこれから選択されています。
 野生のものはかなり小形であくが強いです。

愛知県が全国の生産高の3分の2

 栽培されているものの大半は「愛知早生」と呼ばれるもので芽立ちが早く、葉柄は太め、長さは1mに達します。愛知では江戸時代からふきの栽培が盛んで、今から150年~200年ほど前に早生の品種が発見されて、選別栽培をされたそうです。

 「水フキ」は葉柄が鮮明な淡緑色で香りが高く、品質がよいですが、収穫量が少ないそうです。奈良や京都でわずかに栽培されています。

 「秋田フキ」は北海道から東北にかけて分布し、葉柄の長さが2mにも達する大形で肉質が硬く、苦みがあるので佃煮や砂糖漬けとして利用されます。長さに加え葉の直径が1メートルにもなるので、葉の下で雨宿りをしたり、馬で行く人に下からさしかけて使ったりしていたそうです。

 露地栽培は3~5月、ハウス栽培により真夏を除いてほぼ1年中出荷されています。

雄株と雌株がある!

 ふきには雄株と雌株があり、野生のふきには雌雄ほぼ同じくらいあります。
 ところが栽培されている愛知早生ふきは全て雌株で受粉能力がなく、種ができません。このため、地下茎の株分けだけで増やし続けています。

「ふきのとう」はふきの花蕾

 フキの若い花蕾は「ふきのとう」として食用されます。春の兆しとして珍重されています。
 フキよりもふきのとうのほうが栄養価は高いようです。ビタミンK、E、葉酸などが多く含まれます。

調理法

 葉柄は塩で板ずりをしてからゆでて皮をむき、調理します。
厚揚げやたけのこなどと一緒に煮たり、ふきご飯にしてもおいしいです。
ふきのとうは、てんぷらにしたり、ふきのとう味噌などにして食べます。"