ショクライフTOP > 栄養士の知恵袋 > きれい好きな日本人~衛生用語の意味、理解していますか?~
きれい好きな日本人~衛生用語の意味、理解していますか?~
2015年02月28日
巷にあふれる衛生グッズ。
最近ではクリアファイルに、鉛筆などの文房具やあらゆる日用品に「抗菌」という
言葉を目にするようになりました。
きれい好きな日本人だからこその商品なのでしょうね。
食に関わる私たち管理栄養士・栄養士は衛生管理については神経質になる部分であります。
「抗菌」のように衛生用語は複数ありますが、
それぞれの用語の意味、正しく理解できていますか?
「抗菌」だから安心、というわけではありません。
正しく意味を理解して、正しい使い方をしましょう。
衛生用語
衛生用語といっても色々ありますが、ここではよく使われる用語についてご紹介します。
「抗菌」 … 菌の増殖を抑制、もしくは阻害すること。
菌を殺したり減少させたりするものではない。
「殺菌」 … 病原菌や有害性を持つ細菌などを殺す・死滅させること。
ただしどのくらい殺せば「殺菌」と言えるのか定義がない、やや曖昧な言葉でもある。
「滅菌」 … 対象物に存在しているすべての菌やウイルスを死滅させるか除去し
完全な無菌状態にすること。
「除菌」 … 対象物から菌を除いて減らすこと。
「消毒」 … 対象物や人体に付着または含まれている有害なものを死滅または除去させ
害のない程度まで減らすこと。
それぞれ少しずつ意味が異なりますので、間違った使い方をしないように注意しましょう!
驚くべき人体の細菌数
きれい好きな日本人らしく、衛生関連の商品はたくさん販売されていますが
いくら日用品をきれいにしようとも、自分自身の清潔が保たれていなければ、それらの配慮は
無駄になってしまいます。
調理従事者が手洗いを徹底するのは当たり前のことですが
実は手指以外にも、私たちの身体にはものすごくたくさんの細菌が存在しているのです。
【人体の細菌数】 1㎠当たりの細菌数
ひたい(おでこ) 20万
脇の下 240万
背中 310
前腕 100
手指 77万
足指 290万
驚きですね!!
普段清潔にしようと心がけている手指以外の部位にも、実はこんなにも細菌が含まれているのです。
衛生管理を徹底する外食産業や宿泊施設などでは、調理場に入る際に裸足になって足指の消毒をし
夏場は特にわきの下の消毒まで徹底させるという施設も実際にはあるようです。
神経質になりすぎて毎度全身をきれいに、なんてことは不必要ですが
これだけ自分自身の身体にも細菌が存在する、ということも忘れずに
衛生グッズに過信しすぎないよう、正しい知識のもとで効果的に活用しましょう♪