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「本みりん」と「みりん風調味料」の違い
2014年07月23日
スーパーで「本みりん」と「みりん風調味料」が売られていますが、普段どちらを使っていますか?違いや特徴について調べてみました。
「本みりん」と「みりん風調味料」の違い
【本みりんとは】
本みりんは、もち米と米麹にアルコールまたは焼酎を加え、40~60日間熟成させたものです。
酵母によるアルコール発酵の工程はなく、麹の酵素の働きでもち米のデンプンが糖化され、また、アミノ酸、香気成分の生成により、みりんの風味が作られます。アルコール度数は14度前後なので酒類となります。
以前は酒店や酒類を販売できるお店でしか売られていませんでしたが、1996年の規制緩和により、「みりん小売業免許」を申請し、付与されればスーパーや食料品店でもみりんを扱えるようになりました。
【みりん風調味料とは】
醸造用糖類(ブドウ糖や水あめ)にグルタミン酸、香料を混合したもので、みりんとは原料や製法が大きく異なります。アルコール度1%未満におさえた非酒類です。
本みりんとみりん風調味料の特徴や効果
【本みりん】
① 煮崩れの防止
「本みりん」に含まれる糖、アルコールは加熱しても食品の細胞壁を壊さず、煮崩れることなく旨み成分の流出を防ぎます。
② 味の浸透
「本みりん」のアルコール分は即素材に浸透するのでその時の糖、酸、旨み成分も一緒に染み込み味を浸透させる効果に優れています。
③ 上品でまろやかな甘み
「本みりん」の成分の約半分を占めるのは、米と米麹が作り出す糖です。「本みりん」は天然の甘味調味料です。砂糖の甘味がショ糖だけなのに対して、「本みりん」の甘味は、ブドウ糖やオリゴ糖など複数の糖で構成されているので甘みが上品でまろやかです。
④ コクと旨み
糖分は料理の黒糖真美を出しますが本みりんには複数の糖類が含まれているのでより複雑なコクと旨みを出せます。また原料の米の成分が米麹の発酵により分解され、旨み成分であるアミノ酸がたくさん生まれます。複数の糖類と天然のアミノ酸で料理に深いコクと味わいが出ます。
【みりん風調味料】
煮切らず使える利点もあり、料理によってはこちらの方がよい場合もあります。
ですが、みりん風調味料は添加物で代用するので自然なコクや旨みもまろやかさも「本みりん」には敵わないでしょう。