ショクライフTOP > 栄養士の知恵袋 > 【取材レポート】甘くない濃厚流動食

【取材レポート】甘くない濃厚流動食

2015年04月14日

先日参加した高齢者向けイベントで、
テルモ株式会社から出ている、濃厚流動食「テルミール」シリーズの
試飲させていただきました。
甘くない濃厚流動食、として売り出されていて
普段の食事でも気軽に使うことができるスープタイプと、
ジュース感覚で飲めるタイプがあります。

楽しめるフレーバー

とにかくフレーバーが豊富です♪
スープタイプは「トマトスープ味」「クリームシチュー味」「和風鰹だし味」と
美味しそうな名前が並んでいます。
「甘くない」という点もこの商品の売りとのことなので
とにかく日々の食事に取り入れられることが◎。

このスープタイプの商品を使ったアレンジレシピなどもあり
低栄養に陥りやすい高齢期の栄養をサポートするための工夫が
多くなされている印象を受けました。

またジュース感覚で飲めるタイプには
「コーヒー味」「バナナ味」「麦茶味」「コーンスープ味」と言った
フレーバーのバリエーション。
街の自動販売機で販売されている商品(味)が網羅されている感じですね。

栄養成分

どれも1パックあたり、125mlで200kcalでした。
エネルギー構成比はこちら。

●炭水化物 52%
●たんぱく質 14%
●脂質   34%

EPAやDHAなどの精製魚油も配合ビタミンや微量栄養素がバランスよく配合されているのも特徴の1つのようで、3本で500mg、6本で1日の目標量である1000mgを
摂取することができるようです。
ただ1日に必要な栄養の大半を濃厚流動食で、というのは食のQOLを下げてしまい
本末転倒といった感じがしますので、あくまで補助の位置づけで上手に
使用するとよさそうですね。

試飲してみて

肝心の味はと言いますと…
私はクリームシチュー味を試飲しましたが
本当に甘さはなく、言われなければ高カロリー飲料とはわからないくらいです。
多少濃厚さはありますけどね。
ただ温めて器に盛られて出てきても違和感はないほどです。
アレンジレシピにしてしまえば、ほぼ違和感なく
通常の食事と全く変わらず、栄養を補給できると思います。

高齢期になると、活動量も低くなるためどうしても食事量が減ってしまう傾向が
ありますが、だからと言って食べない生活が続いてしまうと
その先には低栄養→老化の進行→要介護状態が待っています。
高齢期を元気に過ごすためのポイントは、いかに老化のスピードを
緩やかにするかどうか。
このスピードを緩やかにするためには、食事で必要な栄養をしっかり摂ることが
とにかく大切です。

まとめ

テルモ株式会社さんのテルミールのように
補助食品であるけれども、味・質ともにクオリティが高く
自然に私たちの食事に取り入れられるような医療食であると
薬とか医療食といったイメージがないまま、食品のひとつとして
受け入れやすくなり、心理的にもハードルが下がるように思います。

私が病院勤務していたのはずいぶん前になりますが
その頃に比べ、味・質ともに確実に進化している印象を受けました。
高齢者の低栄養が問題視されている中で
少しでも老後を楽しく、そしてできる限り美味しく
長い間食事のレベルを落とさずに最後まで楽しん食シーンをでもらいたい。

従来は医療食に美味しさは求められない、といったことも言われていましたが
今はそんな時代ではなく
医療食も美味しいを兼ね備えた、クオリティの高い時代に
なってきていると感じました。
今後も医療食の進化、期待したいですね!