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日本のこころ、和食の智恵 2-1 ~『二十四節気』/1300年使われてきた『季節』と『暮らし』の《目印》~

2015年05月01日

5月になりました。
5月は皐月(さつき)とも言いますね。皐月とは耕作を意味する
古語「さ」から来ていて『稲作の月』として『さつき』となった
と言われています。

漢字の『皐』には「神に捧げる稲」の意味があるため、『稲作の月』
である『さつき』にこの文字が当てられたと言われています。

1つの文字に意味を込め、意味のある言葉で季節や時を表現する。
調べてみると、和食にはこうした日本人の感性が込められていると
が見えてきます。

そうした世界観まで含めて和食を味わいたいものですね・・・

日本のこころ、和食の知恵シリーズは第2ステージへ

1月から掲載してきました「日本のこころ、和食の知恵」シリーズは
今回から第2ステージの内容に入りたいと思います。
前回までが「総論」、今回からが「各論」的な内容になるイメージです。

日本人の体質にとってもよく合う和食。
世界文化遺産に登録され、世界的にも評価されている和食。
この和食の特徴を紐解き、和食文化を紡いできた日本人のこころと
日本人が「生き抜く」ための知恵を絞って作り上げた和食の力を
お伝えできればとここまで書いてきました。

その中で日本人は季節の特徴を「言葉」で表し、その言葉を
「暮らしの目印」として活用し、繰り返される季節の中で
どうすれば「生き抜く」ことが出来るかを考えながら「食生活」
を営んできたことが見えてきました。

「和食文化」とは、日本人が日本の気候風土の中、必死に生き抜く中で
「生きるための食」として磨き上げられてきた「食の形」でした。

それが「もったいない」「いただきます」「ごちそうさま」の
3つの言葉に象徴され今も受け継がれているわけです。
それが、前回までの内容で分かってきました・・・

そして、その結果として次に知りたいことは「暮らしの目印」として
活用してきた季節毎の特徴を表した「暦」(二十四節気、七十二候)と
そのとき時の行事や行事食。更には生き抜くために磨かれた保存や栄養
の知恵などです。

そのような流れの中で今回からこの二十四節気を目印に二十四の季節と
そこに関わる「食」について情報を共有して行きたいと考えています。

日本人ならではの季節感/二十四節気と七十二候

《二十四節気》とは・・・
春夏秋冬の四季をそれぞれ初~仲~晩と三等分にすることで
4×3=12と1年の12ヵ月にします。
例えば春(暦的には2~4月)なら初春(2月)仲春(3月)晩春(4月)
となります。これを更に前半2週間後半2週間に分けると24等分と
なり、これを《二十四節気》と呼んで日本人は1300年以上
「季節と暮らしの目印」として活用して来ました。

春なら「立春」や「春分」などがその1つです。
詳しくは一覧図を画像として貼り付けていますのでお手すきの時に
見ていただけると分かりやすいと思います。

明治時代に現在の暦となりこの二十四節気は表向きには出てこなく
なりましたが今も日本の季節の中でしっかりと存在感を残しています。

この二十四節気は、その言葉だけで「今」がどの様な季節でどの様な特徴が
あるのか?が分かるようになっているというとても便利な言葉です。


更に、二十四節気を3等分した七十二候というものもあります。
これは5日単位で「季節」を表したものです。
例えば間もなく訪れる「立夏」の中に「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」
とあるように、「カエルが始めて鳴き始める時期ですよ」と季節を
表現しています。読むだけでどんなときなのか分かってしまいます。


第2ステージでは二十四節気にこの七十二候の情報も盛り込みつつ
日本の四季と暮らしを辿って行くことで日本ならではの季節感を
感じつつ和食の知恵の奥深さに触れていきたいと思います。

ご期待ください。