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ショクライフ図書館 -日本の料理-

2015年06月12日

食に関する本、と言っても本屋さんに行くとレシピ本~絵本、文庫本まで
食についての書籍は数多く存在します。
職業柄、専門書を読む機会も多いですが、
たまには専門書以外の食の本を読んでみるのもおすすめです!

探してみると、興味深い本たくさんあるはずです。
素敵な本に出会うのも毎回「縁」だなと感じることも多く、大袈裟かもしれませんが
パッと手に取った本で人生が変わる!なんてことも過言ではないかも!?
たまには本屋さんに立ち寄って、
素敵な本に出会ってみてはいかがでしょうか。

おすすめ書籍

本日おすすめの本はこちらです。

●日本の料理
 Japanese Cooking for Everyone
黒田 基子著 / リチャード・モン訳
 IBCパブリッシング株式会社 発行
 
この本の特徴としては、日本語と英語の対語で内容が展開されています。
アメリカに20年以上も住み、現地のアメリカ人に日本料理を教える著者が
アメリカ人が持つ日本食のイメージや、
アメリカ人に好評だった日本食の
紹介など、日本人が見る・考える日本食と、アメリカ人が見る・考える日本食の
ギャップについて、楽しく書かれています。

海外に行って、外から日本を見たほうが日本のよさや魅力がわかる。
と言われますが
まさにこの本では普段日本で働いていたらわからない視点での切り口や
当たり前すぎて、考えもしなかったようなポイントについて書かれています。

どんなことが書いてあるの?

日本人はごはんが主食、おかずが副食という考えがありますが
洋食では主食・副食の考え方がないので、主食・副食という考え方は
日本的な考えであること。

海外でレストランに入ると最初にパンが出てきますよね。
これは日本的な発想だとパン=主食、と考えてしまいますが、
海外ではあくまで前菜。
食事の前にお腹をなだめるスナック的な感覚だそうです。
ですので次の料理が出てきたら、ほとんどの人はもうパンには手をつけない。
そして、家庭ではパンもごはんも出てこないことが多いようです。


また日本の白米はアメリカの子供にも大人にも人気があるということ。
偏食が日本の子供の比にならないくらい激しいアメリカでも、
白米はとても喜ばれるそうです。
ですが、お寿司の影響か白米には醤油と思いこんでいるアメリカ人がかなり
いるようです。(^_^;)

これはアメリカでは、主食・副食の考えがないので、
日本人のようにおかずを食べながらご飯を食べることをしないため、
ごはんはごはんだけ、おかずはおかずだけという食べ方をします。

すなわち、ごはんだけだと味が薄いので、醤油をたっぷりかけて
単品のごはんでも美味しく食べられる、ということのようです。

新しい視点から日本食を振り返る

というような感じで、日本の食文化とアメリカの食文化のギャップ、
そして海外から見た日本食のイメージのギャップがとてもわかりやすく
書かれています。
日本人の私たちにとっては当たり前すぎて、わざわざ理由なんて考えたりも
しないことも、こういった外からの視点から見てみると
新しい気づきや、日本食の知らなかった魅力も見えてきたりします。

2020年の東京オリンピックに向け、益々注目される日本のこと。
日本のよさを世界に広めるためにも、
こういった視点を持つことはとっても大切ですね。