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減塩と食習慣~その2~
2014年07月23日
減塩の方法
適切な食塩量
日本人は食塩の摂取量が多いといわれています。調査では平均塩分摂取量は1日に13gです。食塩はすべて塩からとっているのではなく、調味料(醤油、味噌など)と加工食品からほぼ半分ずつ摂取していると考えられています。
食塩摂取量を控えることは高血圧や腎臓病などの予防や治療で大切です。
これらの病気を治療中の方は、担当医と相談の上、摂取量を決めて下さい。これらの病気を持っていない方でも、一日の食塩摂取量は10g以下が望ましいとされています。
2004年の高血圧治療ガイドラインでは、高血圧で治療中の方は、食塩量は一日6g以下が望ましいとされており、より厳密な減塩が望まれます。
調理法や調味料に工夫を
一般に味付けを濃くすると、多くの人の好みに合うため、外食や惣菜は濃い味付けが多いようです。
うすい味付けでもおいしく食べる方法は、香付けをうまく使うことです。酢やゴマ、ネギなどの薬味を使うことで醤油などの量をへらしてみましょう。
また醤油やソースは、おかずにかけてしまうと量が多くなりがちです。小皿に醤油やソースをとり、おかずをそれにつけて食べると少量の調味料で食べることができます。
減塩の際に注意したいのが、味噌汁と漬け物です。
味噌汁は出汁や野菜の味をきかせることで味噌の量を減らしましょう。また、具を多くして汁を減らすのも効果的です。おやつとして「漬け物とお茶」というのは日本独特の光景ですが、漬け物の食べ過ぎに要注意です。漬け物に醤油をかけることは避け、すりゴマなどを使い香りを楽しむようにしましょう。
・醤油や塩をかけて食べるのではなく、酢を上手く利用する(ポン酢やだし汁で醤油を割ることなどで、醤油より塩分は半分以下になる)
・香りの野菜をうまく使う(しょうが、ねぎ、しそ、ゆず、すだちなどを使う)
・香辛料を利用する(唐辛子、からし、わさび、こしょうは血行を促進し発汗作用があり、一時的には血圧は上がりますが、高血圧を起こすものではありません)
・加工品は使わず、生の素材や旬の素材を使う(加工品は意外に塩分が高いです。最近では旬がなくなってきていますが、もう一度見直してみましょう。味・香りともに違います)
・食べるときには適温で(冷めると味が薄く感じられ、また上から塩味を足すという結果になります)
・小皿を食卓に(醤油をどうしてもかけるときは、小皿にとって、つけて食べるようにすれべ、量は少なくてすみます)
・主食はパンよりご飯がおすすめです。ご飯は塩分がありませんが、食パンは1枚あたり0.6gの塩分が含まれて
います。漬物や佃煮には、1食あたり1gの塩分が含まれているので、ご飯に添える回数や量を控えめにしましょう。
・ラーメンやかけそばの塩分は5~8gです。これだけで1日に適切な塩分量を超えてしまいます。塩分のほとんどは汁に含まれているので、ひと口程度味わうにとどめ、それ以上は飲まないようにしましょう。
・食卓に、塩や醤油、ソースを置かないようにしましょう。あると、ついつい使ってしまいます。
【例えば】
冷奴をそのまま食べてみると豆の自然な甘みに驚くはずです。しょうがやみょうがなどの薬味で風味をプラスできます。
また、納豆も添付のタレを使わずに、からしだけで十分においしく食べることができます。
焼き魚や大根おろしには、醤油をドボドボかけず、レモン汁や酢でさっぱり食べてみましょう。魚は焼く際に塩をふっていますし、酢は塩分ゼロの調味料なのでじょうずに活用しましょう。
・味噌汁は1日1杯を限度にしましょう。袋入りのインスタントの味噌汁は2~3gの塩分が含まれているので注意が必要です。外食時の味噌汁や吸い物がしょっぱいと感じたら、もったいないと思わずに残しましょう。
・つゆやたれの量を自分で加減できる料理を選びましょう。例えば、天ぷらならば天丼より天ぷら定食がおすすめです。天丼はすでにご飯につゆがしみていますが、天ぷら定食ならばつけるつゆの量を控えることができます。
・コンビニのパック入りのお惣菜には、1~2gの塩分が含まれています。また、おびぎり1個あたりの塩分は1g、カップ麺には2~3g、お弁当には3~4gの塩分が含まれています。購入時の目安にしましょう。
・カリウムには、塩分を体外に排泄する働きがあります。カリウムを多く含む食品は、野菜(小松菜・ブロッコリー など)や果物(バナナ・りんご・キウイ など)です。適量を毎日食べるように心がけましょう。
食品中の食塩量(参考量)
たらこ1/2腹 1.8g
塩鮭1切 2.6g
プレスハム4枚 1.4g
フランクフルトソーセージ1本 1.0g
梅干し1個 2.2g
かまぼこ2切 1.3g
たくあん3切 1.3g
アジの開き1枚 1.7g
うどん・そばの汁1人前 4-5g
ラーメンの汁1人前 7-8g
味噌汁1ぱい 約2g
食パン6枚切り1枚 0.8g
カレールウ大さじ1 0.8g
うすくち醤油大さじ1 1.0g
ウスターソース大さじ1 1.4g
塩分控えめの食習慣
塩分は私たちの体に必要なものですが、取り過ぎると血圧を高くし、動脈硬化や胃潰瘍、消化器系のがんを引き起こす一因となります。
日本人の食塩摂取量をみてみると、どの年代も塩分過多の状態です。日頃の食生活を見直し、減塩を心がけるようにしましょう。健康な人でも1日10g以下を目標にしてください。高血圧、心疾患のある人は医師から指示された塩分量(一般に7g以下)を守りましょう。
減塩を上手に行うポイント
① 漬物・汁物の量に気をつけて塩分の多い漬物や汁物は、食べる回数と量を減らしましょう
漬物は、浅漬けか塩出ししたものにします。
汁物は野菜などの具の多いものにすれば、1回に摂る汁の量が少なくなります。麺類を食べるときは、汁は残すようにします。
塩分計などを用いて、自分の味を確認するのも良いでしょう。
② 天然だしを利用しましょう
かつお節・昆布・煮干し・しいたけなど自然のだしの旨味を効かせて調理すると、低塩でもおいしく仕上がります。
③ 「かけて食べる」より「つけてたべる」
醤油やソースなどは、かけて食べるより、つけて食べた方が塩分の摂取量が少なくてすみます。
④ 酸味や香辛料、香味野菜をりようしましょう
レモン、かぼすなどの柑橘類や酢などを和え物や焼き物に上手に使って、献立の味付けに変化をつけると、塩分を減らすことができます。
香辛料(わさび、唐辛子、カレー粉 など)も塩分調節の強い味方です。また、香味野菜(しょうが、ねぎ など)を加えると、うす味のメニューにも変化がつきます。
⑤ 油の味を利用しましょう
揚げ物、油炒めなど、油の味を利用したり、ごま油やオリーブ油を食べる前に少しかけることで、風味が増しおいしく食べることができます。
ただし、脂質のとりすぎにならないように、油を使ったメニュー端仮にならないよう気をつけましょう。