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出会いは何故か茨城県、北海道の味「いももち」 ─北海道札幌市─
2015年06月16日
【世界の主食『でんぷん』】
北海道の「食」と言えば「鮭」「ジンギスカン」「カニやいくらなどの魚介類」「お寿司」「ラーメン」最近では「スープカレー」が新しい定番になっています。そんな中であえて取り上げたいのは「じゃがいも」です。道産子だけでなく北海道産のじゃがいもは日本各地で食されていますし、そのじゃがいもからとれる「でんぷん」は「片栗粉」としても全国で日本人の食欲を満たしています。
ぶかっこうだけど優しくてスマートなやつ
更に特筆したいのは「イモ類」は穀類に次いで「世界的な主食」になっている食材だということです。寒い地域でも栽培ができて、収穫後に土の中で保管しておけば越冬もできる食材。しかも加工することででんぷんを他の料理にも活用できる。「飢えをしのいで生き抜く」ための「食」として寒冷地域や高山地域の人々を守ってきた食材と言っても過言では無いでしょう。
また、穀類(日本ではお米)の収量が天候不順などで見込めない時は救荒作物としてそば・麦・芋などが栽培されました。短い期間で育ち、悪天候でもそこそこ収量が見込めるこれらの食材も北海道で多く採れる食品です。更に栄養面から見ても、人間の燃料として優れている「でんぷん」だけでなく、ビタミンやミネラル、食物繊維も多く含み優れた食材と言えるでしょう。
「いももち」との出会いは何故か茨城県
今回、北海道の郷土料理としてご紹介する「いももち」ですが・・・私が出会ったのは何故か栄養士の資格を取得するために住んでいた茨城県でした。北海道の我が家では出たことが無かったのです。管理栄養士を目指して勉強していく中で「郷土食」「郷土料理」の大切さが分かりかけてきた頃、先輩が「TKさん北海道出身だったよね」と作ってくれたのがこの「いももち」との出会いです。ただ、ゆでて・つぶして・片栗粉とまぜて・団子にして・焼くだけのシンプルなおやつのような料理ですが私にとっては忘れられないもう一つの「郷土料理」になったのでした。
それからは「北海道の味」を聞かれた時は「いももち」を紹介し、作って一緒に食べるようにしています。簡単ですので、お腹が空いた時やじゃがいもが余ってしまった時など試して欲しいひと品です!!また、さつまいもやかぼちゃなど、でんぷんの多い野菜でも同じように作ることができますので是非一度試していただきたいひと品です。
【いももち】材料
〈材料:基本の割合〉
じゃがいも:大1個(約220g)
片栗粉:大さじ1弱(17g)
■タレ(作りやすい量)
醤油:25cc
砂糖:25g
みりん:25cc
水:50cc
・片栗粉:大さじ1.5
・水:大さじ3
【いももち】<作り方>
・じゃがいもを好みで皮を剥き均一の大きさに切ってたっぷりの水に漬けておく
・水を切って蒸し器へ入れ強火で蒸す(約15分)
・火が通ったらボールへ移し、熱いうちにマッシャーか麺棒で塊がなくなるまで潰す
・全体が滑らかになって、粗熱が取れたら片栗粉を加えて混ぜます
・粉っぽさがなくなったら完成
・好みの形、大きさに形成します(1個50g位でまんじゅうのような形が食べやすい)
・タレは醤油、砂糖、みりん、水を合わせて煮立たせ火を止める。
・そこに水溶き片栗粉を加え、混ぜながら再び火にかけます
・弱火でゆっくりかき混ぜ、透き通ってきたら完成です
・いももちを強火のフライパンで焼きます。多めの油で揚げ焼きにする感じで。
・両面にこんがり焦げ目がついたら完成です。
・お皿に盛りつけてタレをつけたり、塩や醤油のお好みで食べます。