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便秘は万病のもと

2015年06月15日

癌による死亡率、日本女性の第一位は「大腸がん」です。(2013年)
無理なダイエットや、生活習慣の乱れ、ストレスによる便秘や
極端な運動不足など、原因はさまざまありますが
いずれかに当てはまる方が多いのではないでしょうか?

今回のコラムでは「万病」のもと、と言われる「慢性便秘」をはじめ
腸についてフォーカスしようと思います。

便秘の定義

実は便秘の定義に明確なものはありません。

3日に1回の排便だとしても不快な症状がなければ便秘とは言わない、
というのが大腸専門医の共通の認識とのことです。
逆に1日数回の排便があったとしても、お腹に悪い症状がなければ下痢とは
言わない。

つまり、便が適度な形状で自覚症状がないのであれば、便秘でも下痢でも
ないということです。

便秘の種類

一般的に言われている便秘の種類には「急性便秘」と「慢性便秘」があります。

「急性便秘」… 旅行などに行ったときに緊張からくる便秘。

「慢性便秘」… 症候性便秘と常習性便秘があります。
        
        症候性便秘…腸管や腸管外にできた腫瘍(がんも含む)、腸管の癒着などによる便秘

        常習性便秘…便秘の状態が習慣的になったもの

このように定義づけられています。
「急性便秘」は旅行先などで多くの方が経験したことがある症状ではないでしょうか。
こちらは心理的で一時的な現象なので特に問題はありませんが、
問題になるのは、「慢性便秘」の方です。

さらに便秘は次の3つに分類されています。

①弛緩性便秘 : 腸の筋力が衰えて動きが鈍くなるために、便を押し出すことが困難になって起こる便秘。

②直腸性便秘 : 直腸に便が送られるとそれが刺激となって便意が起こるが、便意を我慢し続けることで次第に便意が感じられなくなり起こる便秘。

③痙攣性便秘 : ストレスから自律神経のバランスが崩れ、大腸に痙攣が生じて便の送り出しがうまくいかなくなることから起こる便秘。


同じ便秘でも種類や原因によって対処する方法が異なりますので
きちんと便秘の種類を把握した上で、栄養指導などに役立ててくださいね♪

腸が第二の脳と呼ばれる訳

脳に中枢神経系があるのと同じように、腸にも「腸神経系」が存在します。

腸は自律神経系によってその機能が調整されていて、
脳全体の中枢神経系と密接に連絡しあいながら協調して働いています。

2つの神経は、お互いに影響を与えながら働いていますが
腸神経系が単独で働くこともあり、これは腸が独自の自律神経を
持っていることを意味しています。

これが「腸は第二の脳」といわれる理由です。

腸内環境が悪化すると、この働きが上手に機能しなくなるため、
セットで動いている脳の中枢神経系の働きに影響を与えることとなります。
反対に脳がストレスを感じた場合も、腸は影響を受け、
下痢や便秘を引き起こすこととなります。

腸の健康が、全身の健康に大きな影響を与えていることは明らかですね。
自律神経を整えるためにも腸内環境の改善が勧められています。
メンタル系にも影響を及ぼしますので、
ストレスの多い現代社会を健康的に過ごすためにも
「腸」は健康の要的な存在にもなりますので、日々の食生活や生活習慣を整え
腸を積極的に整えることを意識しましょう!