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高齢者への食育の重要性

2015年07月13日

「食育」というと子供に向けた教育というイメージがあると思いますが、
超高齢社会となった現在の日本では、子供へ向けた食育だけではなく
高齢者への食育の必要性も注目されてきています。

ご存じの通り、日本の医療費は年々膨らみ厚生労働省が発表した
2013年の概算医療費は39兆3千億円(前年度比2.2%増)
11年連続の増加、過去最高を更新しており40兆円も目前に迫っているのが現状です。

75歳以上の1人あたりの医療費は92万7千円。
これは74歳以下の4.5倍近くに相当します。

日本は誰もが知る長寿国ではありますが、
「平均寿命」が長い=健康で長生きしている人が多いとはならず
注目すべきは健康で生活を送れる期間=「健康寿命」が
大切ということがわかるかと思います。

平均寿命と健康寿命

2013年の日本人の平均寿命と健康寿命は以下の通りです。

~平均寿命~
【男性】 80.21歳
【女性】 86.61歳

~健康寿命~
【男性】 71.19歳
【女性】 74.21歳

~平均寿命と健康寿命の差~ (介護が必要な期間と言えます)
【男性】 9.02歳
【女性】 12.4歳

平均寿命は世界トップレベルの水準ですが、
健康寿命は男女の平均値を見ても、何かしらの介護が必要な状態が
10年以上も続くということがわかります。

この数字は諸外国に比べても長い期間になっているため、
早急に健康寿命の延伸対策を施さないとなりません。

100歳以上の高齢者の数

話は変わりますが、皆さんの周りには100歳以上のご高齢の方は
どのくらいいらっしゃいますか?

1963年には153人だった100歳以上の高齢者が
2014年には58,820人と大幅に増えているのはご存じでしょうか。

この50年間で、100歳以上の高齢者の数は385倍に跳ね上がっています。
50年後の2065年には日本人の4人に1人は100歳以上の高齢者になるとも
言われているのです。

4人に1人が100歳以上となった時も
変わらず健康寿命が短いままだと、
若者がただでさえ少ない中、介護する人員が不足するのは
容易に想像できることですね。

この数字を見ても、今後は高齢者自身が自分の健康をコントロールする
スキルが必要である重要性がわかると思います。

知識と意識が健康を左右させる

24時間コンビニが開いていて、いつでもどこでも好きな食べ物を
購入することができるとっても便利な時代ではありますが
選べる自由ができた分、健康を手に入れるためには

① 食の知識がどのくらいあるのか?
② 食の意識がどのくらい高いのか?

この2つが、健康を手に入れられるか否かに大きく影響するのでと思います。
100歳を超える高齢者が増え、医療費も増え続けている現状で
高齢者が自分自身の健康をコントロールする能力を育てることは
これからの超高齢社会では大変重要です。

「高齢者への食育」
ぜひ、この世代と関わる機会が多い方は、健康へのきっかけ作りの
後押しをすべく何かしらのアクションをしていただきたいと思います。