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果物で作る芸術

2016年03月24日

病院・介護福祉施設・学校・保育園・社員食堂などなど
栄養士が働く場は幅広いですが
相手に美味しく食べてもらうために、みなさんはどのような工夫を
していますか?

五感に訴えかける
視覚・味覚・聴覚・嗅覚・触覚の要素はどれも重要ですが
この中でも最も外せないのは「視覚」の要素ではないでしょうか。
食の情報の8割が視覚からの情報と言われるため
見た目の工夫は欠かすことのできない大切な要素なのです!

食と視覚の関係

五感の中でも視覚からの情報は約80%を占めると言われていて
他は聴覚が11%、嗅覚が3~4%、触覚が1~2%。
そして味覚は1%と言われています。(諸説ありますが…)

目を瞑った状態で食事をすると、その食材が何か言い当てられない経験を
した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

最近では暗闇で食事をする、ブラインドレストランや、暗闇ごはんなど
視覚の情報をシャットアウトされた状態で
他の感覚器を最大限研ぎ澄まして食事をするイベントやお店が
注目されていたりします。

また、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」という暗闇の
ソーシャルエンターテイメントというものがあります。

【目以外のなにかで、ものを見たことがありますか?】というメッセージの元
暗闇という視覚の情報を奪われた中で
音、匂い、体温、質感、感触、声など、視覚以外の感覚を研ぎ澄ませて
様々なことを感じる体験イベントです。

このイベントは全世界39か国、130都市以上で開催され、
2015年の時点で800万人を超える人々がこのイベントを体験しています。
1988年にドイツで生まれたイベントで
日本では1999年11月に初めて開催され、すでに17万人もの人が
体験しているものです。

少し話は逸れましたが、視覚の情報をシャットアウトされた状態で
情報をキャッチすることは思った以上に困難です。
私たちは食事以外の日常の時間でも、想像以上に視覚の情報に頼っているため
「視覚」で喜ばせる工夫は、食事への意欲・楽しさの要素として
大変重要な部分となっていることがわかります。

フルーツカッティング

視覚で喜ばせる工夫は様々ですが
最近はちょっとしたブームとなっているのがフルーツカッティングや
カービングです。

いつもの果物も、フルーツカッティングやカービングを施すことで
付加価値が付き、販売促進に繋がったり
何の変哲もない果物であっても、カッティング技術によりギフトに様変わり
したりと「魅せ方」の工夫が増えてきています。

保育園での誕生日会や、福祉施設での行事食、病院でのちょっとした心遣い
など、フルーツカッティングの技術は多くのシーンで活用できるのは
ないでしょうか。

●フルーツアカデミー
http://fruitacademy.jp/index.html

●ベジフルカッティング講座
http://vege-cut.jp/index.php

●フルーツアートデザイナー協会
http://www.fruit-art.com/
※ほんの一部をご紹介。

お金をかけなくても、少しの工夫と少しの技術で
目の前のフルーツ(他の食材も)「美味しそう」「食べたい」の欲求を
引き出すことに繋がります。

飽きが来ない、常に楽しませる、など食事の中にはエンターテイメント性が
あった方がいつまでも美味しく食事の時間を過ごせると思います。
時には視覚を楽しませる演出も考えてみてくださいね。