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酸性食品・アルカリ性食品

2016年04月14日

酸味がある食品が酸性…
という訳ではなく、クエン酸や有機酸が豊富な梅干しやレモンは
酸味が強くすっぱいのに「アルカリ性食品」に分類されます。

酸性・アルカリ性の判断は、その食品そのものではなく
食品に含まれるミネラル類が酸性かアルカリ性かで判断され
食品を燃やし、その燃えカスの灰汁(水溶性)のphを測定して判断しています。

このことから、梅干しやレモンはクエン酸や有機酸によりすっぱいですが
クエン酸は炭素、水素、酸素からできてるので
燃やすと二酸化炭素と水になってしまいます。
成分としてはカリウムをたくさん含んでいる炭酸カリウムが水に溶けて
アルカリ性を示す物質を生じるため、最終的な燃えカスは
アルカリ性となるわけです。

酸性食品とアルカリ性食品

酸性を示すミネラルは、塩素・リン・硫黄などがあり
アルカリ性を示すミネラルは、ナトリウム・カルシウム・カリウム・マグネシウム
があります。

【酸性食品】
肉・魚・卵・穀類

【アルカリ性食品】
大豆製品・牛乳・野菜・果物・海藻・きのこ

硫黄やリンは燃やすと二酸化硫黄(水の溶かすと亜硫酸)や十酸化四輪(水に溶かすとリン酸)になるため、成分として硫黄やリンを多く含む食品は酸性食品となるわけです。
お米や小麦などの穀類をはじめ、肉・魚・卵など、たんぱく質を多く含む食品が
酸性食品の傾向が強いことがわかります。

体の中は酸性?アルカリ性?

最近では酸性食品・アルカリ性食品と分類しなくなりましたが
日本でも数十年前は酸性食品・アルカリ性食品に分類していました。
これは、人間の体の中で「燃焼と同じような反応が起こっている」という前提の上で
体内の反応を疑似的に作り、食品を燃やした燃えカスのphを測定し
体の状態を推定できると考えていたからです。


ですが現在では、体の中では色々な反応が起こっていることがわかり
食品の燃えカスによって、体の中が酸性になったりアルカリ性になったり
しないことがはっきりわかってきました。

私たちの体の中では、血液はph7.35~7.45と弱いアルカリ性に保たれています。
そのphを維持するため調節が行われているので
単純に酸性食品を摂り続けたから体内が酸性になる、というわけでもないようです。

酸性食品を摂り過ぎた時には
体内のphは酸性に傾きますが、それを中和するために体内にあるアルカリ成分が
使わることになります。
わかりやすい例で言うと「骨」のアルカリ性のミネラル類が溶出され
中和のために働いてくれますが
結果、骨がもろくなる、尿が酸性に傾き結石や痛風発作に影響すると言われています。

血液のphはph6.8~7.6の範囲を超えると、生命の危機となります。
酸性に傾き過ぎても、アルカリ性に傾き過ぎてもよくない、ということが
わかると思いますので、結局は「バランス」が大切だと言えますね。

食べ物には、長所短所がありますので
一部の食べ物だけを好き好んで食べるのではなく
やはりここでもバランスを意識、健康な体つくりに役立てていきましょう。