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クリニックの管理栄養士の仕事とは?
2016年06月13日
隣の栄養士はどんな仕事をしてるんだろう?と
考えたことありませんか。
もちろん病院・介護施設・保育園・企業といったカテゴリーの違いもありますが
同じ職場でも勤めているクリニックの方針や環境によっても
栄養士の置かれる状況は大きく変わってきます。
今日はクリニックで勤務していた栄養士さんに
クリニックでのお仕事について聞いてみました。
今後、クリニックに転職を考えている方は
同じクリニックでも色々な現場がある、ということを理解し
転職先選びの選択肢のひとつとして参考にしていただければと思います。
とても素敵なことが伺えました!
栄養士になった経緯
私が栄養士になりたいと思ったきっかけは、父の病気と闘病の末の死からでした。
父も苦しい中で亡くなったのですが、一番側で見ていた母が、
父の病気が自分の作った食事や栄養の過不足から来たのではと
とても悔やんでいたことがきっかけです。
病気になると本人も辛いのですが、家族や周りの人達も悩み、苦しみます。
私は母の食事が悪いは思いませんでしたが、知らないということは、
人を惑わせ、無闇に傷つけてしまうと痛感し、
私は食事や栄養の勉強をして、父母や私たちのように
これ以上病気の患者さんやそのご家族が苦しむことがないようにしたい、
そういう栄養士になりたいと誓いました。
一般的な病院管理栄養士の仕事と、私の勤めたクリニックの違い
一般的に病院の管理栄養士というと病床のある大きな病院で、
厨房のサポートか、栄養課で症状、回復状態に合わせた献立作り、栄養価計算、
入退院前後の食事・栄養指導などが主な仕事です。
私がいたクリニックは、病床のない小さなクリニックでしたが、
日本全国から様々な症状を抱えた、一般の病院ではさじを投げられたような悩める患者さんが多く来院されました。
院長は、「病気や症状は薬だけではなく、食事や栄養をしっかり摂ることによって改善する。」とお考えの、数少ないお医者さんだったため、
看護師さんと同じくらい管理栄養士に重きを置いて下さる病院でした。
そのため、栄養の知識はもちろんですが、
臨床栄養、解剖生理、病態栄養、薬の知識など様々な知識が必要です。
毎日朝一番に、その日に来る患者さんのカルテを見ながら打ち合わせです。
どのような治療を行っていて、どのような経過をたどっていて、
今後どのような回復を見ていくのか。
そのためには、今何が必要かなど。覚えることも多く、日々勉強が必要でした。
また、病気には必ず原因があるという考えから、様々な検査も行っていました。
一般的な血液検査から、アレルギー検査、腸内環境を調べる検査、
毛髪ミネラル検査等、日本で行っている検査もありますが、
海外でしか行っていない検査もあったため、海外の文献などを勉強したり、
参考にしていました。
その検査の必要性や、検査結果、結果を踏まえた今後の治療の説明なども
管理栄養士が行っていました。
(事前に院長との打ち合わせがあり、診察時に院長からも患者さんへ直接説明があります。)
栄養状態が改善し、症状が改善していくと、見違えるように元気になっていく患者さんの姿を見れたことは、
管理栄養士としてこの上ない嬉しいことでした。
このクリニックで学んだこと
時々管理栄養士の範疇を超えているのではと思えるほどの仕事を任せて下さるので、
正直根を上げたくなることもありましたが、
ここでの4年間でみっちり人体の仕組みや臨床の勉強ができたことは、
貴重な経験でした。
今は、様々な資格が、更新性になっている中、
未だ管理栄養士は一度資格を取ると一生涯管理栄養士の名を名乗れます。
しかし、医療の世界はもちろんですが、高齢者施設、保育園、学校などでも
システムや制度が大きく変わることもあり、常にブラッシュアップし、
勉強し続けないといけないと思います。
一般の方も、インターネットや本、テレビ等で情報を仕入れることができる時代です。
誰もが何が正しくて、何が間違っているのか戸惑ってしまう中、
専門家だからこそ伝えられる正しい情報、難しい話だからこそ、
一般の方にもわかるような優しい言葉で伝えられたらと思います。
ここで働いている間に、医療事務の資格を取りました。
理由は、医療費やその流れ、医療にまつわる基本的な知識と技術を身につけたかったからです。
勉強に手遅れも、無駄なこともありません。
その時に出来る仕事と、努力を地道に行い、私はこれだけは負けないと胸を張って言えるような、そんな管理栄養士になってほしいと思います。
だだ、どこの会社でも、専門的な知識はもちろん必要ですが、
人とのコミニケーション(対職場内の方、患者さん、お客さん)はとても大切です。
また、相手の立場になって考えらえる気持ちの余裕も必要ですね。
私はこれもあれも出来ないと考えるのではなく、仕事をしながら、
もがきながら、手に入れて欲しいと思います。
YOU CAN DO IT!!
NEVER GIVE UP!!