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保育園の栄養士の仕事とは?Vol.2

2016年06月23日

今回も隣の栄養士シリーズです。
次の転職先や就職先に悩んでいる方には、すでに経験した方のアドバイスは
大変貴重なものです。

実際の現場でどんな業務があり、どんなことを感じ、そして何を仕事から得たのか。
悩んでばかりいて動けないよりも、失敗してもいいから飛び込んでみたら
実が学びが多かった、ということもたくさんあるはずです。

どんな職場で働くかも大切ですが
自分自身がその職場で何をしたいか?何をやり遂げたいか?が重要なのではないでしょうか。

今回も保育園で勤務軽軽のある保育園栄養士の先輩にお話しを
伺いました。今回もとってもいいお話しが聞けましたよ。

保育園の栄養士になった経緯

私は22歳から27歳までの5年間、保育園で栄養士の仕事をしていました。
当時はまだシングル、当然子供もいなかったため、
保育園という世界は初めて!(幼少期は幼稚園に通っていました。)

栄養士として仕事をしたいと思っていたけれど、
自分自身がどのような栄養士になりたいのか、どんなことが出来るのかなどが掴めておらず、
大学の先生に勧められた保育園に面接に行きました。

面接をしてくれた給食室の栄養士の先生に、
「なぜ保育園の栄養士になりたいと思ったの?」と聞かれ、
保育園の栄養士に特別な思い入れや希望もなかった私は、
「先生はなんで保育園の栄養士になったのですか?
何がこの仕事の魅力ですか?」と逆に質問していました。
(だって本当にわからなかったし、知りたかったのです・・・。)

面接を受ける前に一つだけ心に決めていたことは、
自分自身をよく見せようとするのではなく、ありのままの自分で勝負しようってことでした。
取り繕ってもぼろが出るし、このままの私でダメなら仕方ないと考えていました。
嘘や見栄、建前を言って雇ってもらっても、
勤め始めたら自分が辛くなると思っていたので。
そんな生意気な質問が、「この子面白い!」と思ってもらえたようで、めでたく採用。
でももう一人の栄養士さんは反対していたみたいです。
「質問されたことに答えずに、逆に質問し返すなんて生意気!!」と(笑)
その通りですね。

働き始めてからわかった保育園の栄養士のスキル

そこの保育園は、0歳から3歳までの乳児を専門に預かる保育園で、
栄養士が3人で、調理員さんはいませんでした。
ということは、すべての仕事を栄養士三人で行います。

献立作成、栄養価計算、発注、検品、調理下準備、調理(昼食、おやつ)
調乳、離乳食作り、保育士さんたちの食事作り、下膳、食器洗い、掃除
喫食状況の確認、残食確認、保育士さんとの話し合い、
アレルギー児への対応、アレルギー食調理、掃除、衛生管理、帳票整理、
子供たちへの食育指導、保護者会や調理実習などの企画、運営、
保護者からの相談へのアドバイスなど仕事は多岐に渡ります。

一番必要なのは、調理のスキルです。
私もこの5年間で、調理技術は格段にアップしました。
保護者の方やこどもたちへの元気な挨拶、言葉がけもとても大切です。

まとめ

この5年間で感じたことは、まず何事もチャレンジしてみること。
そして、栄養士の仕事は働く施設によって様々ですが、
未来を創る子供たちの心身の健康を担う食事作りの現場に関われたことは、
とても貴重な経験となり、財産となりました。

その後も様々な仕事をさせて頂きましたが、調理や献立の基本、
保育園での現場の空気を肌で感じられたことは、今に生きていますし、
どんな仕事も無駄なことは一つもないと思います。

今、皆さんは就職や転職を考え、悩まれていることと思いますが、
少しでも自分の興味のある分野、好きだなと感じる方向へ
まずはチャレンジして欲しいと思います。

私はこの5年間の間に管理栄養士の資格と取り、保育士の資格も取りました。
社会に出ると、自分自身の足りない知識や経験にくじけそうになることもありますが、
始めるのに遅いことはありません。
必要な時に、必要な勉強をして、どんどん武器を増やしていって下さい。
社会に出てからの勉強は苦労もありますが、直接自分に返ってくるので、とても楽しいです。
皆さんのチャレンジを応援しています。