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血液型と病気のかかりやすさ

2016年07月14日

巷には○○占い、○○診断などの人の気質や性格を判断するコンテンツが
多くありますが血液型と病気のかかりやすさに関連性があったことはご存知ですか?

血液型と病気のかかりやすさについて取り上げている
ちょっと面白い記事がありましたので、
今日は血液型×病気のかかりやすさについて紹介したいと思います。

血液型と病気の関係

人の気質や性格、行動はA型・O型・B型・AB型と単純に4つに分類できない複雑な
ものでありますが、血液型で話が盛り上がることはよくありますよね。
この血液型は性格や相性云々だけではなく、病気の関係性について実は20世紀の初めごろから論じられているテーマでした。

少し古いですが1980年頃までの研究によると、病気のかかりやすさに血液型が
関係しているという面白い研究結果があります。

■血液型と病気のかかりやすさ
・胃がん
 かかりやすい血液型 … O型
 比較した血液型   … A型
 かかりやすさ    … 1.22倍

・十二指腸潰瘍
 かかりやすい血液型 … A型
 比較した血液型   … O型
 かかりやすさ    … 1.35倍

・乳がん
 かかりやすい血液型 … O型
 比較した血液型   … A型
 かかりやすさ    … 1.28倍

なぜかO型が罹患率が高い傾向に…。筆者もO型なので府に落ちませんが
O型はどの血液型にも輸血ができるように
血液型特有の抗原に理由があるのかもしれません。
そのヒントになる研究を次で取り上げています。

ノロウイルスと血液型

血液型と病気の関連性については、上述した通りですが
さらに具体的な研究でB型の人はノロウイルスに感染しにくいのではないか?
という研究が近年数多くの研究で発表されているようです。

51人の被験者にノロウイルスを飲ませて感染の有無を調べた実験では
B型の人はノロウイルスに感染しにく、または目立った症状はでない、
という結果が出ています。

■ノロウイルス感染と血液型

O型(26人) 
感染しなかった   … 1人
感染した(症状なし)… 8人
感染した(症状あり)… 17人

A型(18人)
感染しなかった   … 4人
感染した(症状なし)… 2人
感染した(症状あり)… 12人

B型(5人)
感染しなかった   … 2人
感染した(症状なし)… 3人
感染した(症状あり)… 0人

AB型(2人)
感染しなかった   … 2人
感染した(症状なし)… 0人
感染した(症状あり)… 0人

AB型は対象が少なすぎるので統計学的には結論が出せませんが
この結果を見ても、B型はかかりにく、O型はかかりやすい、
という結果になっていることがわかります。
※この結果がすべてではありませんが。

B型はなぜノロウイルスに強いのか、
その根拠となる研究もいくつか発表されています。

血液型というものは、それぞれの型に特有の抗原が赤血球の表面に付着していることに
よって生じますが、
この抗原は赤血球だけでなく、唾液などの分泌物にも含まれ
気管や消化管表面の粘膜細胞にもあります。

消化管に入ったノロウイルスは、小腸上皮の血液型抗原に付着することによって
感染が始まると考えられていて、
この時O型とA型の抗原には付着するが
B型の抗原には反応しない、ということがわかっています。

そのため、B型の人は感染を逃れ、または軽い症状で済むというわけです。
ただし、ノロウイルスにもいくつか型があり、それぞれの型と血液型との
関係性についてはもう少し複雑になるようです。


血液型と病気の関連性については
一部解明できている事実はあるものの、まだまだ体系だった結論までには
至っていないのが現状です。
血液型もA型・B型・O型・AB型の4種類だけではなく、
RHマイナス・プラス他、分類法も様々です。

血液型と病気の関連性が明確になれば
自分自身のリスクを事前に知ることができるので、
自分の血液型にあった予防ができる時代が来るかもしれません。

人間の体についてはまだまだ解明できていないことがたくさん。
これからの食・健康分野の研究には目が離せません!!