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用途に合わせてキャベツ選び
2014年07月23日
春キャベツ、冬キャベツとありますが、正確には「春系キャベツ」「寒系キャベツ」と言われ、その季節に関係なく市場には1年を通じて出回っています。
春系キャベツは、葉の質が柔らかく生食に向いています。葉が薄いため、加熱調理には向いていません。
寒系キャベツは、葉が厚く、そのため生食では堅い印象を受けますが、熱を通しても歯ごたえが損なわれにくい特徴があり、加熱調理が向いています。
近年、その両者をかけあわせて作られた中間型のタイプもあり、春系に近いものから寒系に近いものまでたくさんの品種が出回っています。
近年、球のしまりがゆるく内部まで黄緑色を帯び、みずみずしく柔らかい春系キャベツの生産量が増加しています。
これから、暖かくなる季節です。冷たいサラダには春キャベツがお勧めです。
キャベツの仲間
キャベツはアブラナ科に属し、原型は青汁の原料であるケールです。
キャベツの仲間には、芽キャベツをはじめ、ブロッコリーやカリフラワーがあり、これらの苗は一般の人では見分けがつかないほどよく似ています。
ちなみに、形が似ているレタスはキクの仲間です。
キャベツのビタミン
キャベツは外葉などにビタミンCやカロテンを多く含みます。
また、ビタミン様作用物質のビタミンUは胃腸の粘膜を正常に整えて保つ効果があり、胃腸薬などにも含まれる成分です。
水溶性のビタミンCやビタミンUは水に溶けやすく、熱にも弱い物質です。ゆで時間の程度にもよりますが、一般にゆでた時のビタミンCの含有量は生と比較して4割程度まで減少すると言われています。
調理法は、煮汁まで食べられるスープなど汁物がお薦めです。
選び方~部位によるビタミンC含有量の違い
春系キャベツは柔らかく弾力性のあるものを選びます。しっかり型の冬系キャベツは、外側の葉が緑色で、球の巻きが堅く、大きさのわりにずっしりと重量感のあるものを選びましょう。
また、茎が伸びることを、「トウが立つ」といいます。キャベツはトウがたつと、苦味がでて味が落ちます。
カットしてあれば見分けられますが、芯の高さが2/3以下のものを選びましょう。
キャベツのビタミンCは、外葉に最も多く含まれています。そして中心へ向って少なくなり、芯の周辺で再び多くなります。
大きめの葉であれば、1枚で1日のビタミンC必要量の半分程度をとることができます。
保存方法
キャベツは収穫後の呼吸作用が少なく、結球野菜の中では比較的保存性が高い野菜です。
しかし、高温下では呼吸作用が活発になり糖分の減少から味、栄養価がおちます。ときに呼吸熱が内部にこもると品質低下をもたらすため、低温保存することが必要です。
<参照>野菜ブック~食育のために~:独立行政法人農畜産業振興機構 発行