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~カーボカウント~糖尿病治療の選択肢が広がる
2014年07月23日
日本では糖尿病の食事療法において、日本糖尿病学会から「食品交換表」が発行され、広く利用されています。
一方、米国では、カーボカウントという食事療法が選択肢として用意され、活用されています。
近年、日本でもカーボカウントを活用した糖尿病の治療が話題になっています。
しかし、日本でカーボカウントを取り入れるにあたりメリットとデメリットがあるようです。
*カーボカウントとは*
食後血糖上昇に関わりの大きい炭水化物量を計算して食事管理をする方法。
カロリー計算や、「食品交換表」を用いた方法でのトータルのカロリーコントロールを目指すものではなく、炭水化物量と血糖値から食前のインスリン量を決定することで、ある程度、自由度を持った食生活が可能になる方法。
カーボカウントのメリット・デメリット
カーボカウントは基礎と応用の2種類があります。
基礎は2型糖尿病の方でも使うことができ必要摂取エネルギーの55~60%を炭水化物として1日3食の食事に配分します。
応用カーボカウントは、インスリン治療を行なっている方に活用でき食事中の炭水化物量に応じて食前インスリン量を計算するというものです。
~メリット~
基礎カーボカウントは、炭水化物以外の計算を厳密にする必要がないので「食品交換表」よりも簡単でメニューの幅が広がり、食事の自由度を高くすることができます。
*もちろん食事バランスをとるために次のステップとして、たんぱく質や脂肪といった栄養素についても指導が行われます。
~デメリット~
カーボ数が同じでも単純炭水化物と複合炭水化物での血糖上昇が違うこと、調理法によっても血糖値上昇が異なることなどデメリットがあります。
また、食事の内容に応じて自分でインスリンの量を変更して、血糖管理をしていくというかなり、自己管理能力が必要な療法になります。
日本での普及は?
今後、日本の文化や習慣に合わせ、カーボカウントの実践しやすい媒体等が考案されれば、糖尿病患者の方にとって食事療法の選択肢が増え、より個々の生活スタイルにあった食事治療が可能になります。
今後、新しい糖尿病治療の知識として知っておきたい方法ですね。
<参考>糖尿病ライフ さかえ:日本糖尿病協会