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話題の和粉~もち麦~

2014年07月23日

 こうせん(香煎)と聞いて懐かしいと思う方も多いと思います。
 原料は、大麦(玄穀)を焙煎して粉にしたものです。関東地方では「麦こがし」、関西地方では「はったい粉」とよばれている和粉で、
 消化が良く滋養が豊富で、風味の高い健康食品として古くから親しまれてきました。
 原料の大麦の種も地域で異なり、関東地方で皮麦、関西地方で裸麦と、主産地のものが用いられています。

もち麦

 近年、裸麦のうち、もち性の種「もち麦」が機能性食品として注目され始めています。
 この「もち麦」は、中国地方・四国地方・瀬戸内海に面した諸県と九州北部の諸県の主に水不足の地域を中心に、もち米の代替品として昭和初期まで広く耕作されていましたが、栽培の難しさから、次第に作付されなくなりました。
 そのため、「もち麦」を知らないという方も多いと思います。
しかし、この「もち麦」、穀類の中でも食物繊維の含有率が高く、白米の約10倍も含まれているため、味や栄養に加えて体調・健康維持の機能を備えた機能性食品として見直されつつあります。

もち麦~特徴~

 血中コレステロールを下げる働きや、大腸ガンの予防効果があるとされる食物繊維のβ-グルカンが、米や小麦に比べて多く含まれています。また糖質が少ないのも特徴の一つです。

もち麦~もち米との違い~

 もち米との違いは、もち米のアミロース含有量がほぼ0%であるのに対して、
もち麦には品種によってアミロースを2~6%含んでおり粘りの程度が異なります。

 もち麦独特の粘りが新たな食感を与えるとうどんへの利用は話題を呼び、またロールケーキやカステラの材料として用いても、しっとりとした和菓子のような食感に仕上がるということで、評判となっている。