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6月は食育月間~諸外国の食生活指針~
2014年07月23日
前回に引き続き、「食育」ということで、今回は諸外国の「食生活指針」について取り上げました。
「食生活指針」は、国民一人一人が食生活改善に対して自覚を持ち、食生活改善に努めるようわかりやすい実践的な指針として文章表現されたものです。
また、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」の「栄養・食生活」分野で設定された目標に向けて具体的な実践を進めていく手だての一つとして策定したものです。
さらに食料の安定供給等の観点からは、「食料・農業・農村基本計画」における食料自給率目標を踏まえ、これを達成していく取組みの一環として策定したものです。
前回の記事にも挙げたように、海外でも食育の取り組みが積極的になされていて、食生活の指針が策定されています。
今回は、食生活改善対して具体的かつユーモアある指針を策定している諸外国の指針を載せました。その国々の社会情勢や歴史が反映れていてとても興味深い内容です。
ノルウェー「ノルウェー国立栄養審議会のガイドライン」
◇ 食事を楽しむことが健康につながります。あなたの食べる食品と友達になりましょう。
◇ 固いマーガリンやバターの代わりに植物性ソフトマーガリンや植物油を使いましょう。
◇ 平日は全乳の代わりに低脂肪牛乳または脱脂乳や低脂肪の乳製品をとりましょう。
◇ 溶かしバターやマヨネーズの代わりにホワイトソースやブラウンソースを適宜使いましょう。
◇ 多くの種類の魚をパンにのせたり、また夕食にも、もっと食べましょう。
◇ サバやニシンのように脂肪の多い魚もタラやクロダラのように脂肪の少ない魚も両方とも、もっとたびたび食べましょう。
◇ 脂肪の少ない肉を選びましょう。
◇ パンやほかの穀物製品をもっと食べましょう。
◇ いも類、野菜、果物、ベリー類をもっと食べましょう。
◇ 決まった時間に食事をとることは良い習慣です。
◇ 水は食事と食事の間でも食事の際でも良い飲み物です。
オーストラリア「オーストラリア人ための食事指針(1992年)」
◇ 多様な食品を楽しみましょう。
◇ パン、シリアル(できれば全粒のもの)、野菜(豆類を含む)、果物を十分に食べましょう。
◇ 脂肪、特に飽和脂肪の少ない食事をとりましょう。
◇ 食物摂取量と日常活動量とのバランスにより、健康的な体重を維持しましょう。
◇ アルコールを飲むときには量を抑えましょう。
◇ 砂糖及び砂糖の入った食品はほどほどにしましょう。
◇ 食塩の使用は控え目にし、食塩添加量の少ない食品を選びましょう。
◇ 母乳哺育をすすめ、支援しましょう。
◇ 鉄を含む食品を食べましょう。特に女の子、女性、菜食主義者、選手にとっては重要です。
中国「中国人のための推奨食事指針(1997年)」
◇ 穀類を主食として、多種類の食品を食べよう。
◇ もっと野菜、果物、いも類(さつまいも、キャッサバを含む)を食べよう。
◇ 牛乳及び大豆、大豆製品を毎日食べよう。
◇ 魚、鶏肉、卵、赤身肉を適当量とるようにしよう。
◇ 油やラードのとり方は減らそう。
◇ 食事量と運動量のバランスをとり、理想の体重を保とう。
◇ 油分と塩分の少ない食品をとろう。
◇ アルコールを飲むなら限られた量にしよう。
◇ 腐ったものは食べないようにしよう。
インド「インド人のための食生活指針(1988年)」
【貧しい人のための食事指針】
◇ 食事は高価でなく、できるだけ伝統的で文化的実際に近いものに合わせるべきである。
◇ 穀類からのエネルギーは総エネルギー所要量の75%を超えないようにする。
◇ 豆類を穀類豊富な食品と共にとり、一日当たり牛乳を少なくとも150ml、野菜を150gとることにする。
◇ 油脂類からのエネルギーは全体の10%を超えないように、精製糖は全体の5%を超えないようにする。
【豊かな人のための食事指針】
◇ 全体のエネルギーは座位の仕事の人の必要量に合わせて制限すれば、肥満が防げる。
◇ 穀類は精製度の高いものよりも低いもの選ぶようにする。
◇ 食事に緑の葉物野菜を取り入れること。
◇ 食用油は40g以下にし、総脂肪量は総エネルギーの20%以下、ギー(透明なバター)は特別のときのみ使用する。
◇ 砂糖および甘い物は制限する。
◇ 特に高血圧の傾向のある人は食塩をとりすぎないように。
<参考>
http://www.e-shokuiku.com/index.html
食育・食生活指針の情報センター