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食料自給率の向上を目指す取り組み

2014年07月23日

近年、食育や健康意識の高まりなど「食」に対して関心が非常に高くなってきました。

 さらに「食」の安全・安心や食料自給率低下など「食」に関する問題も含め「食」が幅広く話題を集めています。
 今回は、食育や「食」の安全・安心を含め食料自給率低下が引き起こす問題、国民レベルで考える食料自給率向上への取組みについて取り上げます。

【食料自給率とは】
 国内の食料消費が国内の農業生産でどの程度賄えているかを示す指標のことです。

*食料自給率の低下の原因には・・・
国内で自給可能な米の消費量の減少コスト面での制約等から国内で生産が困難な畜産物の消費増加など食料消費構造の変化や国土条件の制約等複数の要因が考えられます。

~食料自給率低下が引き起こす問題~

 近年、食料の需要と供給のバランスが崩れ世界中で食料価格の高騰が問題になっています。

その原因には・・・
 世界人口の増加やバイオ燃料の需要増加また地球温暖化等による異常気象の影響で農産物の生産条件の悪化による食料不足などが関係しています。

 これらの原因が深刻化し各国で食料不足になった場合各国は自国内の供給を優先し海外への食料輸出を抑制します。
 そうなると食料の多くを海外に依存している日本は食料の輸入が困難になり食料不足に陥ります。

 そこで、この事態を回避するため将来にわたり安全な食料の安定した食料供給を確保できるよう国内農業の食料供給力(食料自給力)を強化し食料自給率を向上させることが重要な課題となります。

 また、食料の多くを海外に依存しているということは大量の食料を輸入しているということです。
 食料輸入が多いほど、輸送に資源が大量消費されたり、CO2の大量排出があるなど環境への問題も懸念されます。

~食料自給率向上を目指す国民運動~

 食料自給率向上を実現するためには消費者・企業・団体・地方公共団体など
全ての国民が一体となって国産農産物の消費拡大を意識して推進することが重要になってきます。

 これらの課題の実現を目指し農林水産省は平成20年度より「食料自給率向上に向けた国民運動推進事業」を立ち上げその取り組みとして「FOOD ACTION NIPPON」をスタートさせ国民の意識向上のため以下の5つのアクションを掲げています。

1.「今が旬」の食べものを選びましょう。

2.地元でとれる食材を日々の食事に活かしましょう。

3.ごはんを中心に、野菜をたっぷり使ったバランスのよい食事を心がけましょう。
4.食べ残しを減らしましょう。

5.自給率向上を図るさまざまな取り組みを知り、試し、応援しましょう。

~日常生活レベルの「食」の関心から、未来の「食」を考える~

 食料自給率の向上を目指すアクションにより日本の「食」の未来を考える「食育」や「食」の安全・安心を考えた生産者の顔がみれる地産地消の推進、ごはんを中心とした日本食で健康の維持・増進を目指す等さまざまな「食」の話題に広がります。

 日常生活で十分実行できる食料自給率向上のための小さいな行動が未来の「食」を担います。ぜひ意識して実行したいですね。