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栄養表示基準

2014年07月23日

 多くの食品に熱量や栄養成分が表示がされており、食品を選ぶときの重要な情報となっています。ただ表示の種類も、栄養成分の含有量だけでなく、「カルシウムたっぷり」「低カロリー」「塩分控えめ」など様々。今回は栄養表示基準についてまとめました。

栄養表示基準とは

 栄養表示基準は、健康増進方第31条に基づき定められており、販売に供する食品(特別用途食品を除く)に厚生労働省令で定める栄養成分又は熱量に関する表示をする場合に適用される基準

栄養表示基準の適用の範囲

対象食品(健康増進法第31条第1項)
〇 販売に供する食品(一般の消費者に販売される加工食品など。特別用途食品を除く。)に、日本語で栄養表示しようとするもの。
〇 輸入した食品に日本語で栄養表示をして販売するもの。

対象になる表示媒体
販売される製品の容器包装及びその製品に添付する文書

栄養表示基準の適用対象とはならないもの
〇 原材料名としての栄養成分名のみの表示
〇 「ビタミン飴」のように品目の中に一般名称として、栄養成分名のみが表示される表示
〇 他の法律により義務付けられた栄養成分名の表示
〇 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)に基づく表示
〇 「うす塩」「甘さひかえめ」など味覚に関する表示
〇 店頭で表示されるポップやポスター等製品の容器包装及び

添付文書以外のものに栄養表示する場合
〇 営業者が使用するいわゆる業務用(加工用)のもの(ただし、消費者が直接その表示を見る機会のある場合は対象となる)

栄養表示で定められている栄養成分など

栄養表示基準で定められている栄養成分(健康増進法施行規則第16条)及び熱量熱量(エネルギー)、たんぱく質、脂質及び炭水化物ミネラル(亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、ヨウ素及びリン)ビタミン(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK及び葉酸)

<栄養基準に従った表示が必要な場合とは?>

♣栄養成分などに関する表示がある場合

例) エネルギー 5kcal 
糖質ゼロ
    ↓
栄養成分1個(50g)あたり
エネルギー  5kcal
たんぱく質  5.3g
脂質     19.2g
糖質     0.1g
食物繊維   1.7g
ナトリウム  44mg

表示方法

【表示場所】
容器包装の見やすい場所又はその食品に添付する文書なお、添付文書に記載する場合以外は、開かないでも見える場所に読みやすく表示する。

表示の項目と順番
1・熱量
2・たんぱく質
3・脂質
4・炭水化物(炭水化物に代えて、糖質及び食物繊維をもって表示することができる)
5・ナトリウム
【熱量からナトリウムまでは、栄養表示する場合には必ず表示しなくてはならない基本項目で、この順番で表示することが定められている。】
6・栄養表示しようとするその他の栄養成分
【栄養表示するそのほかの栄養成分はナトリウムの後に表示する】

表示方法
〇 販売される状態における可食部分の100g、100ml、1食分または1包装などの1食品単位あたりの表示栄養成分の含有量について表示する。

表示単位など
〇 栄養士分の含有量の表示は「微量」などの言葉や、割合(%)での表示はできない。
〇 栄養成分などの含有量は一定の値または下限値および上限値で記載する。

適切な摂取ができる旨の表示
・含まない旨の表示(絶対表示)「無」「ゼロ」「ノン」その他これに類する表示
・低い旨の表示(絶対表示)「低」「ひかえめ」「少」「ライト」「ダイエット」その他これに類する表示

<含まない旨の表示をする場合は、次の基準に満たないこと>
食品100gあたり()内は一般に引用に供する状態での食品100ml当たり
●熱量       5kcal(5kcal)
●脂質       0.5g (0.5g)
●飽和脂肪酸     0.1g(0.1g)
●コレステロール  5mg(5mg)
●糖質       0.5g(0.5g)
●ナトリウム    5mg(5mg)

<低い旨の表示をする場合は、次の基準値以下であること>
食品100gあたり()内は一般に引用に供する状態での食品100ml当たり
●熱量       40kcal(20kcal)
●脂質       3g (1.5g)
●飽和脂肪酸     1.5g(0.75g)
●コレステロール  20mg(10mg)
●糖質       5g(2.5g)
●ナトリウム    120mg(120mg)

<参考>
東京都福祉保健局 食品に栄養表示するときは・・・

まとめ

 自分にとって必要な栄養量を過不足無く摂取するためには、食品の選択時、栄養表示の確認は欠かせません。
 低カロリーだと思って量をたくさん食べると、それなりのカロリーを摂っていた。。。なんてことにならないために表示の見方もご説明できるようにしておきたいですね。