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医療・保健・福祉の中での管理栄養士業務
2014年07月23日
今回は、管理栄養士は医療・保健・福祉の中でどんなことをすると「何点」つくのか?をまとめます。
管理栄養士の業務内容
"○平成22年4月20日発 厚生労働医政局長通知より抜粋
近年、患者の高齢化や生活習慣病の有病者の増加に伴い、患者の栄養状態を改善・維持し、
免疫力低下の防止や治療効果及びQOLの向上等を推進する観点から、傷病者に対する
栄養管理・栄養指導や栄養状態の評価・判定などの専門家として医療現場において果たしうる
役割は大きなものとなっている。
以下に掲げる業務については、現行制度の下において管理栄養士が実施することができることから、管理栄養士を積極的に活用することが、望まれる。
①一般食(常食)について、医師の包括的な指導を受けて、その食事内容や形態を決定し、または変更すること。
②特別治療食について医師に対し、その食事内容や形態を提案すること。(食事内容などの変更を提案することを含む。)
③患者に対する栄養指導について医師の包括的な指導(クリティカルパスによる明示など)を受けて適切な実施時期を判断し、実施すること。
④経腸栄養療法を行う際に、医師に対し、使用する経腸栄養剤の種類の選択や変更などを提案すること。"
~介護保険制度における栄養関連事項~
"【加算の種類と必要事項】
★栄養マネジメント加算・・・14単位/日
・他職種協働による栄養ケア計画書
・常勤の管理栄養士により栄養状態のモニタリングと評価を定期的に実施し計画の見直しをしている。
★療養食加算・・・23単位/日
・管理栄養士による栄養管理
・医師による食事箋(糖尿病、腎臓病、肝臓病、胃潰瘍、貧血、膵臓病、脂質異常症、通風、その他特別な検査食)
★経口移行加算・・・28単位/日
・他職種協働による対象者ごとの経口移行計画書
・医師の指示を受けた管理栄養士による経口摂取に移行するための特別な管理
・180日(医師による評価による延長もあり)
★経口維持加算Ⅰ・Ⅱ・・・28単位/日・5単位/日
・嚥下障害があり、誤嚥が認められる対象者ごとの他職種協働による経口維持計画書
・医師の指示を受けた管理栄養士による継続的な傾向摂取を進めるための特別な管理
・180日(Ⅰの場合はVFまたは内視鏡・Ⅱの場合は水飲みテストなどによる医師などの評価により延長もあり)
★栄養改善加算・・・150単位/月または×2回まで
・低栄養状態またはそのおそれのあるものであって、栄養改善サービスの提供が必要と認められるもの
・栄養改善サービスを導入した居宅サービス計画書がたてられている
・他職種協働による栄養ケア計画書
・管理栄養士による栄養状態のモニタリングと評価を定期的に実施し計画の見直しと介護支援専門員への情報提供"
~医療保険制度における栄養関連事項~
"<入院時食事療養費>
・入院時食事療養費(Ⅰ) 640円/1食
管理栄養士・栄養士の配置ありと届出をし、他の条件を満たしている施設
・入院時食事療養費(Ⅱ) 506円/1食
Ⅰ以外の施設
・特別食加算 76円/1食
腎臓食、肝臓食、糖尿病食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓食、脂質異常症食、通風食、フェニルケトン尿症食、楓糖尿症食、ホモシスチン尿食、ラクトース血症食及び治療乳
・食堂加算
一定条件が整った食堂を備えている
<入院時食事療養費標準負担額>
・入院時食事療養費標準負担額 260円/1食
(収入などにより、緩和措置があり、0円~260円の間の額となっている。)
<栄養管理実施加算>
★栄養管理実施加算・・・12点/日
・常勤の管理栄養士が1名以上配置
・他職種協働の栄養管理計画書
・栄養管理計画書に基づく実施・モニタリングの計画
・栄養管理計画書に基づいて定期的に評価し、計画書の見直しを行っている。
<栄養サポートチーム加算>
★栄養サポートチーム加算 200点/週
・一般(7対1または10対1)病棟に入院中であり、栄養管理実施加算を算定している
栄養に障害のある患者(Alb3.0以下など)
・特定の研修を修了した①常勤医師②常勤看護師③常勤薬剤師④常勤管理栄養士で
構成されたチーム。
・カンファレンスと回診の実施/1週
・栄養管理手順をあらかじめ作成
・栄養治療計画の策定とチーム記録
・①チーム30人以内/日
<栄養食事指導料>
★入院栄養食事指導料 130点/回・入院中2回まで
★外来栄養食事指導料 130点/回・月1回まで(初回は2回まで)
★集団栄養食事指導料 80点/回・月1回まで
★訪問栄養力時指導料 530点/回・月2回まで *同一建物の場合は450円
*医療保険、介護保険のなかで管理栄養士の業務にこれだけの点数がつくということは、
それだけ、「食」の力が期待されているということです。
おいしくて、治療効果の高い食事の提供はもちろんですが、「食」を通してそれぞれの
対象者の方の目標が達成できるよう、しっかりサポートしていきたいですね。"