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生クリームの動物性と植物性の違い

2014年08月07日

生クリームにも動物性と植物性があります。

当然ながら動物性と植物性では、脂肪分やビタミン、カルシウムなどのミネラルなど成分にも違いがあります。

以前に減量の栄養指導をして際、生クリームで植物性と動物性のものがあるけどどっちが体にいいの?と質問があり、その際は一般的に植物性の脂質の方が動物性のものより体の中で脂肪にもなりにくので植物性をお勧めしました。
あまり生クリームを大量に食べたり頻繁に食べたりすることはないと思いますが、痩せている方などカルシウムの補給などを考えると動物性のものをお勧めするとよいですね。肥満の方は、あまり食べないようにすることが優先ですが、もし食べるとすれば植物性ものをお勧めするとよいですね。
栄養指導をしているとピンポイントの食材についての質問なども多々あります。より正確に対象者の方が質問の答えに何を望んでいるのかなど読み取って的確にアドバイスしたいですよね。

そもそも生クリームってどのようなもの?

牛乳から乳脂肪以外の成分を除いたものをいいます。
搾りたての牛乳を放置しておくと表面に黄色の薄い層ができます。
この層の部分がクリームです。

実際はどのように作るのでしょうか。
脂肪は水よりも軽いので生乳を遠心分離機にかけ、遠心力で脂肪の多い部分(クリーム)とほとんどない部分(脱脂乳)に分けます。
こうして得られたクリームを必要に応じて脂肪分を調整して殺菌しホイップ用やコーヒー用などいろいろな用途のクリームを作ります。

生クリームの種類

① 牛乳成分だけからなり添加物など一切含まないもの
・・「クリーム」
② 脂肪分は乳脂肪のみで添加物を加えたもの
・・「純乳脂肪クリーム」
③ 乳脂肪の一部を植物油脂に置き換えたもの
・・「コンパウンドクリーム」
④ 乳脂肪の全部を植物油脂に置き換えたもの
・・「純植物性クリーム」

≪置換する植物油脂や添加物≫
パーム油、やし油、菜種油、大豆油、硬化油(かたさを持たせたもの)
脱脂粉乳、乳化剤、安定剤、香料、カロテン色素 など

生クリームの種類別栄養成分での違い

エネルギーはほとんど変わりません(100gで400Kcal前後)
脂質の量はほぼ同じですが、植物性は他のクリームに比べたんぱく質が2~3倍多いです。
ミネラルでは植物性は他のクリームに比べ、カルシウムの量が約半分です。
ビタミンでは乳脂肪100%のクリームがEとKが多くなってます。
コレステロールもクリームの方が多いです。

100g当たり クリーム  コンパウンド  植物性
エネルギー   433   409     392
たんぱく質   2.0   4.4     6.8
カルシウム   60    47      33
ビタミンE   0.8   0.4     0
ビタミンK   14    8       2
コレステロール 120   63      5