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福岡県の郷土料理「がめ煮」 ─福岡県福岡市─

2014年09月03日

私の出身は大分県なのですが、16歳から30歳まで福岡市で過ごしました。
両親は福岡市の出身でお正月料理は、博多雑煮とがめ煮が食卓に並びます。
 
福岡県は九州の北部にあります。
 福岡市は九州の政治、経済、文化、ファッションの中心として賑わう人口約141万人の街です。街への玄関口になる福岡空港、博多駅は交通の便が良く、街に近いのでとても便利です。
 2011年春には九州新幹線が全線開通し、さらに便利になりました。

福岡市の名所・名物

 緑に包まれた福岡市では、街中の大濠公園で休憩や、福岡タワーのあるベイサイドの散策などが楽しめ、街の中心から近い所に玄界灘や背振山地など、豊かな自然に恵まれた観光スポットが沢山あります。
 青春時代を過ごした大濠公園や福岡タワー周辺に行くとほっとした気持ちになり癒されます。海の中道や能古島へのアクセスも良いので船に乗って行くのもまた違う気分が味わえます。
 観光地は太宰府天満宮、櫛田神社、福岡タワー、海の中道などが有名です。5月には博多どんたく、7月には博多山笠などお祭りも盛んで活気ある街です。夕暮れ時になると出現する屋台は夜の名物です。ラーメンや焼き鳥、天ぷら、餃子などを食すお客さんでにぎわっています。地元市民や観光客、出張で訪れる人に大人気です。
 グルメでは全国的に有名な博多ラーメン、もつ鍋、水炊き、明太子、おきうと(海藻のエゴノリを煮溶かしてところてんのように流し固めたものをひも状に切るなどして、酢じょうゆや酢みそ、ショウガじょうゆなどをかけて食べま。)、玄界灘で捕れる新鮮な魚料理など盛りだくさんです。
 その中でも栄養バランスのとれている福岡の家庭料理「がめ煮」をご紹介します。がめ煮は正月やお祭り、結婚式などのお祝い事の時に良く作られます。

がめ煮の由来

 「がめ煮」という名前の由来にはいくつかの説があります。
鶏肉や野菜など色々な材料を使うので、博多の方言で「よせ集める」という意味の「がめくりこむ」から名前がついたという説。豊臣秀吉が朝鮮に出兵する時に博多に立ち寄り、すっぽんを捕まえて野菜と煮た事からすっぽんの博多弁「がめ」からきたという説があります。
 昔、福岡県北部を「筑前の国」と言っていた事から「筑前煮」とも呼ばれます。

食材の知識

 がめ煮に入っているレンコンやごぼうなどかみごたえのある野菜を食べるとかむ回数が増え、早食いを防いだり、唾液が良く出て消化が良くなります。
 根菜類は、抗酸化作用を持つといわれるビタミンC、体のむくみをスッキリさせるカリウム、腸の働きを活発にする食物繊維が多く、便秘解消にも役立っています。体を温める作用もあるので是非食べて欲しい食材です。

がめ煮レシピ

【材料】(4名分)
・鶏肉   ・・・80g
・こんにゃく・・・80g
・ごぼう  ・・・40g
・れんこん ・・・40g
・人参   ・・・40g
・干し椎茸 ・・・小4枚
・里芋   ・・・小2個
・絹さや  ・・・4枚
<調味料>
・だし汁  ・・・160ml
・砂糖   ・・・小さじ1
・酒    ・・・小さじ2
・みりん  ・・・大さじ1
・濃口醤油 ・・・大さじ1
・サラダ油 ・・・大1/2

【作り方】
①鶏肉は一口大に切る。
②こんにゃくは茹でて一口大にちぎる。
③ごぼう、レンコン、人参は乱切りにする。
④干し椎茸は戻して削ぎ切りにする。
⑤里芋は皮を剥き、一口大に切る。下茹でする。
⑥絹さやはすじを取り茹でる。
⑦鍋に油を敷いて熱し、鶏肉、野菜類(里芋は後で)、椎茸を炒め、だし汁を入れる。
⑧里芋を入れる。
⑨煮立ったら砂糖、酒、みりんを加え、少ししたら醤油を加えて落し蓋をして煮る。
⑩器に盛り付け、絹さやを散らす。