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あぶらえの甘辛タレ─岐阜県─

2014年09月12日

 私の生まれた「飛騨古川」は、岐阜県の北部にある小さな街です。山々に囲まれ自然がとても豊かなところで、春は桜色、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と季節ごとに山々が変化し、私たちに四季を知らせてくれます。

 また、その山々で育った木は飛騨の職人の手によって、昔から多くの建築物に変わっていきます。奈良時代には、都の造営のために飛騨の職人が都に呼ばれ、その職人たちの技が評価され「飛騨の匠」と称されたようです。その飛騨の匠の技は、今もなお受け継がれ、街の至る所に見られます。

(写真提供:飛騨みやげや本舗)

街全体が協力し合って行う「古川祭り」

 毎年4月19、20日に開かれる「古川祭り」は、飛騨古川最大の観光行事です。子供からお年寄りまでが参加するため、小・中学校は休校、大人も仕事を休むくらいに町内全体が力を入れる行事なのです。
 昼間は、各町内が所有する絢爛豪華な山車と神様の行列が街の中を練り歩きます。
 夜には、日本三大裸祭の一つ「起し太鼓」が行われます。大きな太鼓を凛々しく打ちならして街を練り歩く大太鼓をめがけて、各町内の「付け太鼓(小さな太鼓)」を持った若者たちが町内の名誉をかけて攻撃する姿には、古川やんちゃの心意気が感じられます。
 こちらは昼間の厳かな雰囲気とは一変し、さらしを巻いた男たちが大迫力の攻防戦を深夜まで繰り広げます。

飛騨の食べ物

 自然が豊かで水がおいしい飛騨にはおいしい食べ物がたくさんあります。その中でも私のおすすめするものを紹介します。

【飛騨牛】
 飛騨の大自然の中で育った飛騨牛は、ブランド牛としても近年注目を集めています。飛騨牛は霜降り部分が多くて、筋肉繊維が細いので、とても柔らかくて甘みがあるのが特徴とされています。

【朴葉みそ】
 朴(ほお)の木の葉を乾燥させ、その上に味噌、ねぎなどをのせて焼いて食べる飛騨の郷土料理です。
 独特の朴葉の香りと、味噌の焦げた香ばしい香りが混ざり合い、ごはんが進む一品です。
 朴の木は、飛騨の山々に多く自生しているので、昔から使われていたようです。熱に強く、殺菌作用を持つため、昔は冬に凍った漬物をのせて焼くのに使われたり、餅を包んで保存するのに使われたという話もあります。
 現代は、お肉をのせたり、いろんな野菜を加えて食べることも多いようです。

【あぶらえ】
 飛騨地方では、えごまの実を「あぶらえ」と呼び、じゃがいもに和えたり、おはぎに付けたりして昔から家庭で食べられています。
 街角で売られている五平餅もあぶらえ、しょうゆ、砂糖を混ぜた甘辛いタレを付けて焼いてあります。あぶらえは、α-リノレン酸が多く、血液をサラサラにする効果もあります。

【日本酒】
 飛騨古川には、「渡邊酒造」、「蒲酒造」という2つの酒蔵があります。水がおいしく、冬の寒さが厳しい古川ではおいしい日本酒が作られます。白壁土蔵でできた酒蔵は建物にも風情があり、酒蔵見学をするのもおすすめです。

あぶらえの甘辛タレレシピ

■ 材 料
あぶらえ(えごまの実) 大さじ3
砂糖          大さじ2
しょうゆ        大さじ2
みりん         小さじ1

■ 作り方
1.あぶらえを弱火にかけたフライパンでから煎りします。香ばしい香りがしてきたら火を止める。
2.1をすり鉢に移し、細かくすっていきます。
3.2のすり鉢に砂糖、しょうゆ、みりんを加えて混ぜれば完成。

でき上がったタレは、茹でたじゃがいもやホウレン草に和えたり、お餅につけたり、お米をつぶして割り箸につけて焼いた五平もちのタレにしてもおいしいです。