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冬の食材~牡蠣~

2014年07月23日

「海のミルク」とも呼ばれ、栄養価が高いことで知られている牡蠣。
 非常に消化吸収されやすい状態の各種栄養成分を含み、バランスよく配合された食品です。

牡蠣の栄養成分

 たんぱく質や脂質は他の魚貝に比べて少なく、亜鉛、鉄、銅、カルシウム、ビタミンB1、B2、タウリンなどの栄養が豊富です。
 他の食品と比較してみても亜鉛の含量は多いです。

【亜鉛の働き】
 DNAやたんぱく質の合成に必要で細胞の新生を促す細胞や組織の代謝に欠かせない酵素の構成成分ビタミンCとともにコラーゲンの合成に関わります。
 これらの働きは成長を促進したり、傷の治りをよくします。成人では新陳代謝が活発な器官ほど亜鉛が不足すると影響を受けやすくなります。
 また、免疫機能に関わる味覚や嗅覚を正常に保つなどの働きがあります。

牡蠣の食べごろ

 よく語の月名で、Rのつく月以外食べてはいけないと言いますが・・・
Rの付く月とは、1月~4月(January,February,March,April)、9月~12月(September,October,November,December)です。
 牡蠣の放卵時期は5月~8月で、牡蠣は放卵後、著しく味が悪くなるので一般にRの付かない月は食べない方がよいとされています。

 Rの付く月、秋から冬の時期は体に栄養を蓄えるため、グリコーゲンの量が最も多く、最も風味がよいそうです。
 最近では夏牡蠣の美味しさが知られるようになり、夏にも食べられるようになりました。

鮮度の見分け方と食し方

 むき身牡蠣の鮮度の見分け方は、牡蠣特有の磯の香りがあるもの、乳白色で盛り上がり、光沢のあるもの、液汁が混濁してないものなどが、美味しくて新鮮なものだと言われています。

 殻付きの牡蠣は、からの形が整っているもの、見た目より手にとった重量感のあるものがよいそうです。

 食べ方としては、生で食べることはもちろん、調理してもおいしく牡蠣飯、牡蠣鍋、牡蠣フライなどの他、小麦粉をつけてバターで炒めてもおいしく頂けます。

生牡蠣とノロウイルスの感染について

 牡蠣を含む2枚貝による食中毒の報告が多くされていますが、2枚貝を喫食していない事例も増えてきています。
 ノロウイルスはえさになるプランクトンとともに2枚貝の体内に取り込まれて内臓に濃縮されます。ノロウイルスで汚染された2枚貝を生や不十分な加熱調理で食べることにより感染し、手や調理器、感染者の便や嘔吐を経路にして感染することも多いです。
 感染を広げないためにも、直接食品に触れる調理従事者は、自分が感染しないことが第一です。調理に従事している者として、喫食者への感染を避けるために、生牡蠣等の喫食を避けることも大切です。