ショクライフTOP > 栄養士の知恵袋 > 小松菜命名伝説─東京都江戸川区─

小松菜命名伝説─東京都江戸川区─

2014年10月02日

小松菜と切干大根のごまあえ

冬菜から小松菜へ

「おお、これはうまい。この菜の名前はなんと申すのか」「とくに名前はついておりません」「このようなうまい菜に名前がないのは残念なことだ。
この村の名前をとって、これからは小松菜と呼ぶようにせよ」小松菜が命名された瞬間です。
江戸時代のころ、鷹狩りにきていた八代将軍吉宗に昼食を差し上げようとしたところ、お出しする食材が何もなかったので、地元小松川でとれた冬菜をすまし汁に入れて差し上げました。
このエピソードにより“小松菜”と命名されたと言われています。名前を付けるくらいなので、よっぽど美味しかったのでしょうね。
それから江戸川区では現在でもビニールハウスが立ち並び、小松菜の収穫量は全国のトップクラスを誇っています。
新旧の魅力ありそんな小松菜が命名された場所、江戸川区について少しだけご紹介したいと思います。
私の育った江戸川区は、東京都23区の一番東側に位置し、橋を渡ればすぐに千葉県。
夜は東京ディズニーランドの花火の音が聞こえる場所です。
金魚、江戸風鈴、千本桜、日本最大の観覧車、水族館など、新旧それぞれの魅力がたっぷり詰まっています。

地元野菜をブランド化

小松菜は今では一年中食べられていますが、元々は「冬菜」と呼ばれていた冬の野菜です。
東京ではお正月のお雑煮には欠かせない野菜で、我が家のお雑煮にも必ず小松菜が入っています。
そして外食時には、小松菜焼売、小松菜春巻、小松菜カレーといった小松菜を使った料理も多く目にします。
学校給食でも小松菜を使った献立が多く使われ、地域では小松菜レシピコンテストが開催されたりと、地産地消に力を入れています。
このように、江戸川区では定番となっている小松菜ですが、その小松菜をブランド化するプロジェクトがありました。
2年間の研究を経て江戸川区産の小松菜の「生食の安全」「栄養効果」等が実証され、めでたく江戸川区ブランドの「サラダ小松菜」が生まれました。
サラダ小松菜は、従来の小松菜よりも苦みやえぐみが少なく、甘みも増してとても食べやすくなっています。
生で食べられるのもサラダ小松菜の特徴のひとつです。生のままサラダにして食べたり、ミキサーでフルーツと合わせてジュースにして飲むのもお勧めです!

小松菜パワースポット!?

ちょっと変わりネタとなりますが、小松菜にゆかりのある一風変わったパワースポットのご紹介です。
小松菜発祥の地・江戸川区には、通称小松菜神社と呼ばれる神社があります。境内には小松菜の石碑などがあり、ちょっと不思議な雰囲気を醸し出しています。
そして、この小松菜神社には、“こまつなさま”と呼ばれる小松菜産土神(こまつなうぶすながみ)も祀られており、困ったことがあるときに「こまったな」と言って小松菜をお供えすれば、悩み事はもちろん願い事までもが叶えられると言われているのです。
恐るべし小松菜パワーですね。困ったときはぜひ小松菜神社にお越しください。

小松菜おすすめレシピ

最後になりますが、私も大好きな簡単小松菜レシピを紹介します。電子レンジ調理の時短レシピですので、ぜひお試しください。

小松菜と切干大根のごまあえレシピ
<材料>1人分
小松菜  ・・・50g
切干大根 ・・・10g
●白すりごま・・大さじ1/2
●しょうゆ・・・小さじ1
●砂糖  ・・・小さじ1/2
●練りからし・・少々(お好みで)

<作り方>
① 切干大根はお湯に10分ほど浸したあと、軽くもみ洗いをして、水気をしっかりと絞り食べやすい大きさに切る。小松菜は3cmの長さに切り、ラップをかけて電子レンジ(600W)で50秒かけ、水気を切っておく。
② ●印の調味料を合わせ、①の切干大根とよくあえる。
③ 食べる直前に②の小松菜と軽く混ぜあわせてでき上がり。

★一口栄養メモ★
小松菜は美味しいだけではなく、栄養面も優秀です。カルシウムはほうれん草の約3.5倍で野菜の中でもトップクラスの含有量。
そして不足しがちな鉄分や食物繊維もたっぷりですので、食卓のレギュラー野菜として使っていただきたい野菜のひとつです。