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北の大地・北海道の郷土料理 石狩鍋 ─北海道─

2014年10月03日

 北海道と言えば、広大な土地、クマやエゾシカなどの野生動物、山、海と豊かな自然や、新鮮な海の幸、じゃがいもやとうもろこし、夕張メロンなどの農産物、牛乳・チーズなどの乳製品、さらにそれらを加工したスイーツが有名で、食の宝庫と言われています。

 また雪国ということもあり、スキーやスノーボード、カーリングなどのウィンタースポーツが盛んに行われています。夏には登山、ツーリング、乗馬やラフティングが人気です。
 そしてスポーツやレジャーをたっぷり堪能した後の温泉は格別です。
 毎年多くの観光客が北海道に訪れています。札幌時計台、函館の夜景、旭山動物園、富良野、美瑛、ニセコ、知床などは海外の方にも人気スポットです。


写真:石狩鍋
(KORYUホームページ お役立ちレシピ より)

石狩鍋

 そんな魅力に溢れた北海道には、各地方の特徴を表した郷土料理が存在します。今回ご紹介するのは札幌市を中心とする石狩地方の郷土料理、石狩鍋です。
 
 その昔、漁師達が鮭を鍋にして食べた事から広まったと言われる料理で、戦後、広く食べられるようになりました。主要な漁場が石狩川であったことからこの名前が付けられ、鮭一匹を余すことなく使い、鮭の身や骨などのアラと、玉ねぎ・キャベツ・じゃがいも・人参・長ねぎなどの野菜、豆腐やこんにゃくなどを、昆布でだしを取った汁に白味噌で調味して煮込みます。
 本州の鍋と違い、石狩鍋は白菜や里芋の代わりにキャベツやじゃがいもを使って作るのも特徴の一つです。
 石狩鍋の作り方はとても簡単です。また、各家庭によって鍋の汁に酒粕を加えたり、豆乳や牛乳などを隠し味に使う場合があります。私の家庭ではバターを入れていました。
 白味噌とバターが具材に溶け込んでコクがありほんのり甘い味付けになります。

石狩鍋に欠かせない鮭の栄養価

 鮭にはアスタキサンチンという成分を含んでいます。アスタキサンチンは自然界に豊富に存在するカロチノイドの一種でサケ、イクラ、エビ、カニの甲殻類などに含まれる赤色の色素(カロチノイド類)です。

 抗酸化力はビタミンEの約550 ~ 1000倍に相当すると言われています。眼精疲労の改善効果や動脈硬化予防効果などが期待されている注目の成分です。

 寒い日が続く冬にはお鍋でほくほくしながら食べると体が温まります。北海道の郷土料理、石狩鍋で美味しく食べながら健康作りを始めてみませんか。

石狩鍋レシピ

【材料(4人分)】
水  ・・・6カップ
椎茸 ・・・4枚
昆布 ・・・15cm
豆腐 ・・・1 / 2丁
鮭(アラ)・4切れ
いくら・・・30g
大根 ・・・1 / 3本
山椒 ・・・少々
人参 ・・・1 / 3本
白味噌・・・120g
じゃがいも・2個
酒  ・・・30cc
玉ねぎ・・・1個
みりん・・・50cc
キャベツ・・1 / 2個
バター・・・10g
長ねぎ・・・2本


【作り方】
①鮭は一口大のそぎ切りにする。
② キャベツはザク切りにする。じゃがいもは洗い、皮付きのままラップでくるみ、電子レンジ(600W)に約8分間かける。柔らかくなったら皮をむき、一口大に切る。玉ねぎはくし形に切る。
③ 鍋に水6カップ、昆布、玉ねぎ、キャベツを入れてふたをして火にかける。沸騰したら鮭、じゃがいも、豆腐、残りの野菜を加えてふたをし、さっと煮る。
④ 白味噌、酒、みりんを混ぜ合わせ加える。好みで角切りしたバターを適量のせ、仕上げにいくらを添える。山椒をかけたら出来上がり。


※ 水の量を半量にし、そのかわりに牛乳や豆乳にしても美味しいです。
鮭の他に帆立などの貝類を入れても良いです。

北海道をご堪能ください

 北海道には石狩鍋以外にも美味しいものがたくさんあります。
ジンギスカン、いかめし、カニ汁、うに丼、ちゃんちゃん焼き、豚丼等々数えきれないほど美味しいものがいっぱいです。
 特にジンギスカンは北海道民にとってなくてはならないものです。お花見の時期には桜の下、家族や気の知れた仲間たちとジンギスカンを囲みながらわいわいお花見するのが毎年の恒例になるほどです。
 
 また、ラーメンやスープカレーも北海道を訪れたら必ず食べてほしい名物料理です。厳しい冬が過ぎれば、雪溶けとともに北海道にも春が来ます。梅雨もなく過ごしやすい時期が続きます。ぜひ北海道の大地と食を堪能してほしいと思います。