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名古屋めし 味噌煮込みうどん ─愛知県─
2014年10月03日
『名古屋めし』といえば、何が思い浮かぶでしょうか?
ひつまぶし、手羽先、きしめん、小倉トースト、味噌料理・・・等々、食べたことはなくても聞いたことはある方も多いと思います。 多くは、名古屋市周辺が発祥の名物とされる料理ですが、他地域発祥であっても名古屋地区において独特の発展を遂げた物も含まれています。
特徴の一つとして味噌料理が多いことがあげられます。名古屋圏では『味噌汁』といえば、八丁味噌を用いた赤い汁のものが一般的です。
この地域で多く製造され消費される豆味噌は、他地域の麦味噌、米味噌にくらべ、煮込んだ際に風味が落ちにくく、そのため味噌をベースにした料理が多いのです。
写真:味噌煮込みうどん
愛知県の味噌料理
私は幼少期から約30年間を、愛知県の豊田市で過ごしました。両親は鹿児島出身でしたので、母が作る味噌汁は淡い色の麦味噌仕立てでしたが、愛知県の郷土料理である『味噌煮込みうどん』や『味噌カツ』を作ってくれることもありました。
豊田市の名物である『五平餅』をおやつに食べたこともあります。
固めて焼いたご飯に味噌だれをつけた香ばしい五平餅は、特別感があって子供心にうれしいおやつでした。
寒い季節には一つの土鍋でできる『味噌煮込みうどん』が、とても楽しみな食事でした。ぐつぐつと煮える土鍋から漂う味噌の香りが食欲をそそり、ふたを開ける瞬間がなんともいえないわくわく感がありました。
味噌煮込みうどんとは
名古屋めしとして有名な味噌煮込みうどんの起源は各説あるようですが、ほうとうをルーツとしています。
味噌仕立ての煮込みうどんは、味噌仕立てのほうとうが好まれる山梨県をはじめ、日本各地にあるそうです。米味噌である白味噌ベースで作られている場合もありますが、名古屋圏では赤みの強い八丁味
噌などの豆味噌を使用しているのが特徴です。
土鍋に鰹節のだし汁を温めて味噌を溶かし、うどんと具材を煮立てます。用いられる具としては、鶏肉、卵、ネギ、しいたけなどが一般的です。味噌煮込み専用の麺は通常の麺と違い小麦粉と水のみで塩は使っていません。
味噌の汁に塩が溶け込んで辛くなるのを防ぐためであるそうです。麺にはきしめんを使用したり、天ぷらをのせることもあります。また白飯と一緒に食べることも珍しくありません。
味噌煮込みうどんレシピ
【材料 1人分
うどん・・・1玉
鶏肉 ・・・50g
油揚げ・・・1枚
しいたけ・・1枚
長ネギ・・・30g
えのき・・・30g
かまぼこ・・30g
卵 ・・・1個
赤味噌・・・大さじ2
(あれば八丁味噌)
白味噌・・・大さじ1
和風だし・・小さじ1
(顆粒)
水 ・・・400CC
【作り方】
① 鶏肉、油揚げ、しいたけ、長ネギ、えのき、かまぼこは食べやすい大きさに切っておく。
② 土鍋で水を沸かし、沸騰したら顆粒だしを入れ、弱火にして味噌を溶き入れる。
③ ②にほぐしたうどんを入れ、うどんの上に鶏肉、油揚げ、しいたけ、長ネギ、えのき、かまぼこをのせ、卵を割り入れます。
④ ふたをして強火にし、鶏肉に火が通ったらできあがりです。
※ 味噌の量はお好みで調整をしてください。季節の野菜など好きな具材を加えてボリュームアップするのもいいですね。残った汁にご飯を入れて卵でとじるとおいしいおじやになります。
ぜひお試しくださいね。
味噌の栄養コメント
味噌には、米味噌、麦味噌、豆味噌など様々な種類がありますが、いずれも大豆を使う点では共通しています。この主原料である大豆そのものが、良質なたんぱく質や脂質、糖分、ビタミン、ミネラルなど栄養豊富な食品なのです。
そこに発酵という微生物のはたらきが加わることによって栄養価もさらに高まり、栄養分は消化吸収されやすくなります。
味噌に含まれる栄養成分のはたらき
・たんぱく質 ・・・コレステロールの低下、血管の弾力維持
・ビタミンB12・・・造血作用、神経疲労防止
・ビタミンE ・・・老化防止
・イソフラボン ・・・酸化防止、肩こり解消
・レシチン ・・・コレステロール低下、ボケ防止
その他に、胃がんの予防、胃潰瘍の防止効果、脳卒中の予防、美肌効果、消化促進、整腸作用、脳の新陳代謝の促進など、様々な効能があるといわれています。ただし、塩分を多く含むので摂りすぎには注意が必要です。