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群馬県民のソウルフード 「焼きまんじゅう」 ─群馬県─
2014年10月03日
私のふるさと群馬県は、古くから養蚕と小麦の生産が盛んで、「粉食文化」が根付き県民の食を支えてきました。小麦粉を使った様々な料理の中でも、「おきりこみ」「すいとん」「焼きまんじゅう」「おやき」は日常の食事、「うどん」「まんじゅう」はハレの食事として区別されていたようです。
写真:焼きまんじゅう
思い出深い焼きまんじゅう
そんな群馬の粉食の中で、私が最も思い出深いのは、「焼きまんじゅう」でしょうか。
「焼きまんじゅう」は蒸したまんじゅうを串に刺し、甘い味噌だれを塗りながら炭火で焼く軽食です。香ばしい味噌だれの香りと、ふわふわのまんじゅうが食欲をそそります。
昔から子どものおやつとして人気がありますが、子どもに限らず、群馬の人はみんな焼きまんじゅうが大好き!老若男女、みな口の周
りを味噌だれでベタベタにしながら食べます。
お花見・夏まつり・えびす講・だるま市などの屋台でもよく売られていますが、鰻のかば焼きにも匹敵する、あの味噌だれが焦げる香りに誘われて、親におねだりして買ってもらうのがとても楽しみでした。
地域によっては餡入りまんじゅうを焼くところもあり「餡入りのまんじゅうは、焼きまんじゅうとして邪道か否か」は、群馬県民が焼きまんじゅうを食べる時によく議論される話題です。
また、1本の串に刺すまんじゅうは、餡なしは4個、餡入りは3個というルールがあり、そのくらい県民にとっては、こだわりのある郷土食なのでしょう。なのに「おきりこみ」などに比べ、県外ではあまり知られていないことは、非常に残念なことです。
「健康的なおやつ」
昔、肉も魚もめったに手に入らなかった時代、庶民にとって味噌は貴重なたんぱく源であり、「医者いらず」といわれ、病気を防ぐ食品としても重宝されていました。
そして近年では、がん予防、コレステロールの抑制、大豆イソフラボンによる美肌効果や骨粗しょう症予防などの機能性食品としても見直されています。
味噌をぬった消化の良い「焼きまんじゅう」は、体にも心にも優しい”健康的なおやつ”といえるのではないでしょうか。
群馬県内には焼きまんじゅうを取り扱っているお店がたくさんあります。富岡製糸場が世界文化遺産に登録勧告となり、今後多くの方が群馬に足を運んでくださるのではないかと思いますが、その際にはぜひ、焼きたての焼きまんじゅうを顔も手も味噌だらけにしながら、豪快に味わっていただきたいものです。
焼きまんじゅうレシピ
【材料】12個分
●まんじゅう
強力粉 ・・・160g
米粉 ・・・40g
(または上新粉)
ドライイースト・小さじ2
砂糖 ・・・大さじ2
塩 ・・・1つまみ
サラダ油 ・・・小さじ2
日本酒 ・・・40CC
ぬるま湯 ・・・110CC
●味噌だれ
砂糖 ・・・50g
みりん ・・・90cc
味噌 ・・・75g
水 ・・・30cc
【作り方】
① ボウルにふるった強力粉・米粉・ドライイースト・砂糖・塩を入れ、ぬるま湯と酒を加えてよくこねる。生地がまとまってきたら、サラダ油を加え、耳たぶくらいの柔らかさになるように、さらによくこねる。
② 生地にラップをし、20 ~ 2℃で約1時間ねかせる(1次発酵)。
③ 鍋に砂糖・みりん・水を入れ、火にかける。砂糖がとけたら、少しずつ味噌を加え、ひと煮立ちさせる。
④ まな板に打ち粉をし、生地を移動させる。ガスぬきをし、12等分する。
⑤ 蒸し器に40℃くらいのお湯を入れておく。丸めた生地をクッキングペーパーにのせ、蒸し器に並べる。ふたをして15分おく(2次発酵)。
⑥ 一端、まんじゅうを取り出し、蒸し器に火をかけ、沸騰させる。
⑦まんじゅうをセットし、約8分蒸す。
⑧ クッキングペーパーをはがして、串に刺す。
⑨ ③の味噌だれをぬって、魚焼きグリルかオーブントースターで焦げ目がつくまで焼く。たれは2度塗りするとよい。
* 本来は麹で発酵させてまんじゅうを作りますが、今回は家庭でも作りやすいように、ドライイーストを使用しました。お店の焼きまんじゅうとは若干異なりますが、かなり近い焼きまんじゅうが出来上がります。
* 冷めると硬くなってしまうので、ぜひ、アツアツの焼きたてを召しあがってください。