ショクライフTOP > 栄養士の知恵袋 > 在宅訪問管理栄養士の仕事とは?【2/2】
在宅訪問管理栄養士の仕事とは?【2/2】
2014年10月23日
在宅訪問栄養食事指導のシステム
実施する医療施設の体制やシステムにより以下のように分類されます。
それぞれにメリットとデメリットがあります。
①医療機関内の在宅医療チームとして訪問する場合
≪メリット≫ 入院中の栄養管理を退院後も引き継げる
≪デメリット≫対象者はその医療機関の患者に限られる
②地域の居宅療養管理指導事業所として訪問する場合
≪メリット≫ 対象者がどこの医療機関にかかっているかは関係ないので地域のニーズに応じられる。
≪デメリット≫指示を出す医療機関に訪問栄養指導に関する収入がない等
③独立の管理栄養士が訪問する場合
≪メリット≫ フリーの管理栄養士が医療機関と契約するので訪問栄養食事指導の効果が
認められればより多くの契約が可能
≪デメリット≫各医療機関との契約など事務処理が発生。契約を増やすには積極的な働きかけが必要
在宅訪問栄養食事指導の流れと現状
◆流れ
訪問の依頼⇒初回訪問(アセスメント→栄養ケア計画作成・実施→報告書作成)⇒継続訪問⇒おおむね3か月または6か月⇒終了(または継続)
◆現状
医療保険での在宅患者訪問栄養指導は非常に少なく、
介護保険による居宅療養管理指導が増えてきています。
しかし居宅サービスでの利用件数で医師・薬剤師・歯科衛生士等・管理栄養士を
比べると、管理栄養士が非常に少ないのも現状です。
低栄養や生活習慣病は、管理栄養士による食事指導で大きく改善されることをもっと多くの方にPRしていかねばなりません。
が、これは個人や各医療機関・事業所の努力だけでは足りないので、
国や地方行政また日本栄養士会などの今後の取り組みに期待をしていきたいところです。
在宅訪問栄養食事指導の今後
高齢化率が進み、在宅療養者も今後増加していきます。
在宅療養で食べたいものが食べられない、あるいは食事が摂れないため
どんどん衰弱してしまう方も増えていきます。
食の支援のプロである管理栄養士の需要も増えていくことと思われます。
在宅医療に関わる管理栄養士には、食・栄養において幅広くオールマイティにこなせる知識や力量が求められます。
また関連職種との連携は必須であり、
患者やその家族と信頼関係を築いていくことも必須です。そのためにはコミュニケーション能力・カウンセリング能力も求められます。
また食事の状態だけみるのではなく、全体の仕組みや他の職種との関わりを考えたりと、マネジメントの視点での活動も求められます。
このように非常にハードルの高い仕事ではありますが、
その分とてもやりがいのある仕事だともいえます。