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滋賀の郷土料理:節約上手の発酵食 ─滋賀県─
2014年12月09日
滋賀県の食文化は漬物、鮒ずしを始めとした発酵食品文化に代表されます。
古代、「蘇」(現代で言うチーズ)を、朝廷に献上していたとの記述があります。
江戸時代には彦根藩では、将軍家や、親しい諸侯に寒中見舞いとして、牛肉の味噌漬けを送っていたとの記述もあります。
牛肉を食べる事を禁止されていた時代ですので「養生肉」として献上していました。
漬物を食材として
この様な食文化のある土地柄ですので、滋賀県人は漬物を食材として使うのが上手です。
長浜市では、沢庵を刻んで、マヨネーズで和え、コッペパンに挟んだ「サラダパン」という人気商品のパンもあります。
滋賀の郷土料理は、発酵食品の味と言っても過言ではないと思います。
また、滋賀県人は、とても節約が上手です。漬かり過ぎて酸っぱくなった沢庵や糠漬けをおかずの一品にしてしまいます。
今回は、漬物を使った料理を2品紹介させて頂きます。
「つけもんの炊いたん」
一品目は、滋賀県の懐かしい、古い郷土料理「つけもんの炊いたん」です。
「つけもん」とは「漬物」のことです。
この料理は古漬け沢庵を使います。昔は、各家庭で、漬物を漬けていました。
なかには漬かり過ぎて、酸っぱくなったり、色が悪くなった沢庵がでてきます。
その沢庵を煮てつくる節約料理です。(また、そのままでも食べられるのに、一手間かけるから、贅沢煮とも言われます)
各家庭によって、味付けは、様々です。油で炒めたり、お出しの煮干しや鰹節をそのまま盛り付けたり、砂糖を入れて甘目の味付けにしたり、また、醤油だけで煮る家庭もあります。
「つけもんの炊いたん」レシピ
≪材料≫
古漬けたくあん 1本
だし ひたひた
酒 大さじ 1
みりん 大さじ 1
醤油 大さじ 3
赤とうがらし 1/3本
白ごま 小さじ 1/2
≪作り方≫
1.たくあんは3㎜位に切り、ボウルに入れ、水を替えながら、1日位塩抜をします。(塩気がなくなるまで)
2.①を茹でて、ざるにあげます。
3.鍋に入れ、出汁をひたひたに加え、酒、みりんを加え、一呼吸おいてから、醤油を加え煮汁が少なくなってきたら、赤とうがらしと白ごまを散らして出来上がりです。
「どぼ漬けの和え物」
二品目は、「どぼ漬けの和え物」です。
「どぼ漬け」とは「糠漬け」のことです。漬かり過ぎた茄子や胡瓜のどぼ漬けを使った料理です。
このあたりでは、土生姜、みょうがは畑に、青じそは敷地内に植えてあります。
これら常備している食材で作る、ちょっと、こじゃれた一品です。
夏の食欲のない時、お箸が進みます。お茶漬けに良し、酒のアテに良しです。
「どぼ漬けの和え物」レシピ
≪材料≫
漬かり過ぎた胡瓜やなすのどぼ漬け 各1本
卸生姜 適宜
青じそ 5~6枚
みょうが 1~2個
醤油 適宜
≪作り方≫
1.どぼ漬けは、薄切りにして、流水で洗い、(酸味と塩気を抜くために)絞ります。
2.青じそは千切り、みょうがは、薄切りにします。
3.ボウルに①を入れ、卸生姜か、或は、青じそか、みょうがで和えます。
4.醤油をかけて頂きます。