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日本のこころ、和食の智恵シリーズ~「いただきます」「もったいない」「ごちそうさま」~という3つの言葉
2015年01月19日
2020年に東京オリンピック開催が決まり、世界ではひそかに
「NIPPONN」ブームが・・・
2013年、「富士山」と「和食」が立て続けにユネスコの
世界文化遺産に登録されました。
そして翌2014年11月には「和紙」が世界文化遺産に
登録され日本の文化は世界から高い評価を受けています。
日本の包丁は世界の料理人から評価されていると聞きます。
また、日本の出汁を学びにフレンチのシェフが来日して勉強会に
参加しているという情報もあります。
世界が認める『和食の智恵』には『日本のこころ』が映し出されています。
日本で「食」に携わるものとして『和食の知恵』『日本のこころ』について
しっかりと押さえておきたいものですね!!
世界文化遺産に登録された「和食」の4つの特徴
世界文化遺産に登録された「和食」の4つの特徴とは・・・
(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がって
いるため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。
また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。
(2)栄養バランスに優れた健康的な食生活
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランス
と言われています。
また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない
食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。
(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴の
ひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った
調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。
(4)正月などの年中行事との密接な関わり
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。
自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、
家族や地域の絆を深めてきました。
「4つの特徴」、実はいつも使っている3つの言葉に集約!?
3つの言葉とは
「いただきます」「もったいない」「ごちそうさま」です。
1つ1つ見てみましょう・・・
【いただきます】
◇すべての自然と生き物への感謝の念。
豊かな自然界では四季折々の季節の中で生き物の生命が
はぐくまれています。
そのかけがえのない生命を私たち人間は生きる糧として
まさしく「いただく」わけです。
だからこそ素材を大事に扱い、美味しくいただく調理の
技術や調理道具の発展があったのでしょう。
【もったいない】
◇その時期(季節)に摂れたものを
◇より効果的に(発酵技術)
◇より長持ちさせて(保存技術)
◇無駄なく食べる丸ごと食べる(食べる技術)
生命をいただくのだから
その生命を無駄にしないという決意と感謝の言葉だと言えます。
【ごちそうさま】
◇作り手の「おもてなし」に対する感謝の念。
「ご馳走」とは美味しい料理を用意するために方々に馳せ参じて
(走り回って)食材をとり揃えたと言う意味があります。
また、具体的に走り回っていなくても食べてくれる人が喜んで
味わってくれるように思いを巡らし、工夫を凝らし、心を込めて
てまひまかけて作ったものを「ご馳走」と呼びます。
そうして作って用意してくれた「ご馳走」への感謝の気持ちが
「ごちそうさま」の言葉なのです。
いかがでしょうか?まさに無形文化遺産に登録された和食の4つの特徴が
この3つの言葉に集約されているとは思いませんか?
豊かなショクライフを送る上で、この3つの言葉とその意味を
かみしめながら毎日、毎回の食事を味わいつつ、心と体に健康を
整えていくのはいかがでしょうか。
おしまい