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日本のこころ、和食の知恵シリーズ③ ~「もったいない」から生まれた「保存技術/乾物」
2015年02月09日
皆さん、こんにちわ。
2月も2週目に入りました。立春を向かえ、暦の上では春ですね。
しかし寒さはまだまだ厳しく、この時期は雪も良く降りますね。
体調管理の難しいこの時期ですが、睡眠の質と量をしっかり
確保することもコンディショニングの基本です。
食生活と共に「休養」の時間と量も整えて参りましょう!!
さて、今回は日本のこころ、和食の知恵シリーズ③
《「もったいない」から生まれた「保存技術/乾物」》
という内容でお送りいたします。
こんなにある乾物の良いところ!
◎乾物の良いところ1 「栄養豊富」
◎乾物の良いところ2 「低脂肪・低カロリー・満腹感」
◎乾物の良いところ3 「長期保存」
◎乾物の良いところ4 「料理がカンタン」
◎乾物の良いところ5 「美味しい」
乾物の良いところ! 解説
乾物にすることでこんなに「良いところ!」が増えるなんて・・・
何がきっかけでそれぞれの乾物を生み出したのか?分からない
事も多いですが、知れば知るほど「もったいない」のこころが
生みだしたのだと思わざるを得ないのがこの乾物です。
◎乾物の良いところ1 「栄養豊富」
⇒現代人に不足しがちな「ミネラル」、特にカルシウムや鉄分が豊富で
第6の栄養素と言われている「食物繊維」も豊富です。
カルシウムと言えば牛乳という印象がありますが、一回の使用量ベース
での含有量を見てみると牛乳200グラムと干しエビ3グラムがほぼ同じ量
なんです(200ミリグラム強)。
また、高野豆腐・ひじき・切干大根も優秀で一回の使用量ベースで
50ミリグラムから140ミリグラム含んでいるのです。
どれも和食の定番料理に欠かせない食材。小鉢で一品ずつ摂っていれば
カルシウム不足になることは無さそうですね!!
◎乾物の良いところ2 「低脂肪・低カロリー・満腹感」
⇒乾物の多くは野菜や海藻、豆類などで低脂肪・低カロリー。
しかも、しっかりとしたかみごたえのあるものが多いので
満腹感を得やすいものが多いのです。
これらをふんだんに使う和食が世界から「健康食」として
評価を受ける理由が良く分かります。
◎乾物の良いところ3 「長期保存」
⇒やはり「もったいない」の基本は「長期保存」ですよね!
乾物は常温で放っておいても腐ることなく日持ちしてくれます。
買い置きして色んな料理に生かそうと思ったら「乾物」は
台所に必要不可欠な食材だと言えますね。
◎乾物の良いところ4 「料理がカンタン」
⇒乾物は水で戻したり、実際に料理に使うには手間が掛かるのでは?
というイメージもありますが・・・
日本初のインスタント食品の中でも元祖と言うべき「乾物」。
意外にも戻さなくても調理できますし、乾物から染み出る
出汁が料理に旨みを加えて奥深い味になります。
既成概念を取り払ってまず使ってみましょう!!
◎乾物の良いところ5 「美味しい」
⇒乾物は基本的に余分な水分が飛んで食材の旨みが凝縮されて
いるので「美味しい」のは当たり前なんですね。
食材そのものが深い味わいのあるものなので味付けも
薄味&シンプルがちょうどいい感じになります。
お財布の負担が減り、カラダにとってもヘルシーな食材だと
言っていいですよね!!
こんなに「良いところ」満載の乾物。使わないことがもったいないですね!!
干し野菜くらいならすぐできる!!
こんなに「良いところ」がある乾物ですが、身近な食材で自分で作れたら
もっともっと嬉しくなりませんか!?
実は干し野菜なら思いのほかカンタンで手間なく作ることが出来るんです!!
写真には切干大根を作ってみたところをおさめてみました。
ご家庭にある「千切り」ができるスライサーを使って、大根を一気に
山盛りの千切りにしちゃいます。水気をしっかり絞って、ホームセンター
などで売っている干し野菜用のネットに並べ、軒先につるすだけ。
日が出ている間は外へ、日が沈むころ屋内へ。天候にもよりますが
晴れた日なら3日前後で立派な切干大根に変身です。
他にも、ニンジンやゴボウなどの根菜類やキノコ類などは作りやすいと
思います。キャベツや青菜類も干し野菜にしておくとお味噌汁やスープ
の具材としてすぐに使えて助かりますよ!!
最後に参考書籍をご紹介します。
◇奥園流・いいことずくめの乾物料理/文化出版局(著・奥園壽子)
◇すべてがわかる! 「乾物」事典 /世界文化社(監修・家森幸男、奥薗壽子 )
◇干し野菜百科/河出書房新社(著・濱田美里)