ショクライフTOP > 栄養士の知恵袋 > 福島会津郷土料理「ねぎそば」─福島県─

福島会津郷土料理「ねぎそば」─福島県─

2015年11月17日


 東京電力福島第一原発事故から4年が過ぎても、福島の観光地は風評被害による観光客の減少に悩まされている。福島県内では放射線量が東京より低い地域もあるのに「フクシマ」の名が国内外に負のイメージで広がっている。国の除染も進んでおり、食品は放射線の検査も実施している。私が紹介する「ねぎそば」は福島の中でも放射能が低いとされている会津地域にあり、子供のころから大好きな場所大内宿でも食べることが出来ます。

 江戸の宿場町の光景を今もそのままに残す、南会津郡下郷町の「大内宿」。「国選定重要伝統的建造物群保存地区」という国の文化財に指定され、多くの観光客が訪れるよになった現在。今や大内宿の代表的なグルメとなった「ねぎそば」はもちろん、ここでしか食べれない郷土料理(とちもちや豆もち饅頭の天ぷら)など。家々の軒先では、会津木綿・会津本郷焼などの陶磁器・職人がひとつひとつ手作りする竹細工などの工芸品が揃い、おみやげにもぴったりのお菓子・昔懐かしい漬物や、夏~秋にかけては採れたての野菜も並びます。

 郷愁を誘う大内宿ならではの雰囲気を楽しみながら、会津ならではの郷土料理を味わうことが出来ます。南会津は朝晩の寒暖の差が大きいことからそばの栽培に適した土地といわれ、南会津全域でそばの栽培が行われています。

蕎麦の栄養と効果とは?


 香ばしい香りや食感に惹かれるファンの多い蕎麦は、カロリーが少なくヘルシーで豊富な栄養素を含む為、生活習慣病・成人病予防・アンチエイジングにも効果的な健康食という事でも注目されています。
 
 漢方では、身体の中の余分な熱や水分・毒素を除く働きがあるといわれています。そんな蕎麦に含まれる栄養と効果について少しご紹介します。

【食物繊維】


 ”腸のお掃除役” 腸内の善玉菌を増殖させて有害物質を排出して便秘も予防します

【ビタミンB1】


 ”疲労回復ビタミン”不足すると体力の低下やイライラ、食欲不振の原因になります。

【ルチン】


 穀物類では蕎麦だけが持つ特徴的な栄養素です。強力な抗酸化作用や血圧や血糖値の降下作用、膵臓機能の活性化作用があり ビタミンCと同時に摂取すると毛細血管の強化作用をより強めます。

 また、水溶性なので蕎麦湯も一緒に飲むのがおススメです。「ねぎそば」は福島県大内宿の名物蕎麦です。初代会津藩主保科正之が、少年期を過ごした高遠の蕎麦をもたらしたのが由来だそうです。

 コシの強い蕎麦に冷たいだし汁と大根おろし、鰹ぶしをかけて、いただきます。大根の酵素アミラーゼには消化を促し胸焼けや胃もたれを防ぐ働きがあります。箸の代わりの葱ですがかじりながらそばと一緒に頂くことで体を温め発汗を促します。良いこと尽くめのねぎそばをお試しください。

ねぎそば~作り方


【材料】(1人前)
生そば  110g
麺つゆ  70g
長ねぎ  1本
大根   50g
削り節  1g


【作り方】
1 生そばはたっぷりのお湯でゆで、ボールに入れてぬめりをよくとる。
2 大根をおろしを1の生そばの上に天盛にし、削り節1gをのせてめんつゆをかける。
3 よく葱をあらって2のそばを葱ですくってかじりながら食べる。