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栄養士のコミュニケーション力

2015年12月24日

栄養指導の際、指導相手は男性・女性、年上・年下と
対象となる相手はさまざまです。
性差・年齢の違いはもちろんですが、人と人がコミュニケーションを
とる時は、多かれ少なかれ「コミュニケーションギャップ」が発生します。

どうしても発生してしまう「コミュニケーションギャップ」を
経験された方は多いと思いますが、
「どうせ他人だから100%理解し合えない」と
投げやりにならないよう、コミュニケーションの工夫で効果ある指導になるよう
食事指導の際のコミュニケーションについて今一度考えてみましょう。

コミュニケーションの注意点

一番多いであろう
管理栄養士が女性で、対象者が男性の場合についての注意点です。

管理栄養士・栄養士は女性が圧倒的に多いですので、
専門職側が女性で、相談側が男性というこの構図が一番多いパターンです。
この構図は、女性が男性に質問をして男性が答えるという構図になるので
夫婦や恋人の会話のシーンでもよくある、コミュニケーションパターンです。

ですのでコミュニケーションはとりやすいと言えますが
気を付けなければ、男性側が勝手に話を進めてしまったり、
好き勝手に話をしているのに対して、女性側が従順に話を聞いている、
という形になりがちではあります。

本題になかなか入れない、
本来聞き出したいことが全く聞けない
話の主導権を握られてしまう
可能性もありますので、ぶれないようにコントロールが必要です。

黙って話を聞くことがいい栄養指導ではありませんので
きちんと決められた時間内で、かつ話が脱線しないよう
栄養指導の目的を達成できるように配慮しましょう。

年齢差がある場合のコミュニケーション

自分より年上の方への栄養指導は、
ちょっとした緊張を覚える方も多いと思います。

誰でも年上の方には丁寧に接しなければという心理が働き
微妙に話し方(口調)が変わるのが特徴です。

ですが、この気遣いがかえって対象者に緊張や心理的な距離感を
与えてしまい、良好なコミュニケーションを阻害してしまう可能性があります。
緊張することはご自身でも認識した上で、
あまり上下関係を意識しすぎないことが望ましいと言えます。
昔話が多かったり、話が脱線することもあるかと思いますが
遠回りをしながらも上手に誘導することを忘れないようにしましょう。
自分のことを話すことで、安心する・リラックスする方もいますので
相手の心理状況も考慮しながらコミュニケーションをとりましょう。

逆に年下の場合の傾向としては
栄養士側が一方的な話をしてしまうことが多くなる傾向があります。
経験値が自分の方が高いからと言って、
コミュニケ―ションが一方通行にならないよう、
質問や問いかけをすることを忘れないようにしてください。

さいごに

管理栄養士・栄養士は食の専門知識で多くの人の健康の手助けを
することができます。
ですが、その手段はほとんどが「コミュニケーション」です。

コミュニケーション能力が低ければ、対象者の健康をサポートすることは
まずできません。
なぜならば、コミュニケーションが取れない相手の言うことは
聞こうとは思いませんし、信頼関係を築くことができないからです。
信頼できない相手からのアドバイスは何の説得力もありません。

逆にコミュニケーション力が高い(上手にとれれば)、
会話だけで相手の健康を手助けできるのです。
私たちには「口」があります。
今までの経験で培った知恵と情報、ノウハウを良好なコミュニケーションで
ぜひ多くの人の健康の手助けをしてください。

インプットだけではなくアウトプットにも重きを置いてみましょう。