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日本食品標準成分表2015年版(七訂)

2016年01月29日

昨年(2015)の12月25日、管理栄養士・栄養士のバイブル本である
食品成分表が15年ぶりに収載食品の拡充など大幅な改定が行われました。
栄養価計算の際、よく使うのに収載されていない食品も多かったのですが
今回の改定で内容はかなり充実したようです。

改定ポイント

1 収載食品の充実
 収載食品数が約300食品増加!
 従来の1,878食品から2,191食品へ大幅に増加しました。
 追加された主な食品にはこんなものがあります。
(1) 日本人の伝統的な食文化を代表する食品(刺身・天ぷらなど)
(2) 健康志向を反映した食品(五穀米・発芽玄米・アマニ油等)
(3) 子どものアレルギー増加に配慮した食品(玄米粉・米粉パン・米粉めん等)
(4) 栄養成分表示の義務化にも対応した調理後食品
(取りのから揚げ・とんかつ・魚のフライ・肉、野菜等の焼き・茹で等)

2 修正成分の充実
(1) 炭水化物を構成するでん粉、糖類等を直接分析し、炭水化物成分表を
新たに作成(854食品)
(2) 既存のアミノ酸成分表及び脂肪酸成分表についても、収載食品数を大幅に増加

3 社会のニーズに対応
(1) 成分表のデータファイルをインターネット上に公表(英語版もあり)
(2) 家庭や給食で常用されることが多い「惣菜」について
成分値の計算方法をわかりやすく提示
(青菜の白和え、ぎょうざ、チキンカレーなど、合計41食品)

ひじきの鉄分が激減?

今回の改定で真っ先にニュースになっていたのが
ひじきの鉄分でしたね。
従来の食品成分表では干しひじき100g中の鉄分が58.2gでしたが
今回の改定で、100g中の鉄分は6.2gへと激減しました。
何とその差、10分の1です。。

今までの栄養指導で鉄分摂取にはひじきを勧めていた栄養士さんも
多いと思いますが……ちょっと衝撃的なニュースでしたね。

ひじきの鉄分量が激減した理由には
ひじきの加工途中で使う「鉄鍋」が原因でした。
昔は鉄鍋製品でひじきを煮ていたため、鉄鍋から流出した鉄分も含まれていた
ため、ひじきには鉄分がたっぷりだったようですが
現在の鍋の主流はステンレス釜。
この違いがひじきの鉄分を激減させた理由です。

栄養学はこれからも日々進化する学問のひとつです。
様々な研究が進み、今までよしとされてきたことが否定されたり
逆に今まで否定されていたことがよしとされたりと…
意外と人間の体のこと、栄養のことってわかっていないことが多いのですね。

良くも悪くも新しい情報が入ってきますが、
今までの常識が覆されることもありますので、一つ一つの情報を吟味しながら
これからの栄養学にも注目ですね!