ショクライフTOP > 栄養士の知恵袋 > うどん消費量全国2位埼玉県の郷土料理 「冷や汁うどん」 ─埼玉県北本市─

うどん消費量全国2位埼玉県の郷土料理 「冷や汁うどん」 ─埼玉県北本市─

2017年03月28日

うどんといえば、香川県がすぐに頭に浮かぶとおもいますが、埼玉県もうどん消費量全国2位という実績があります。
私が生まれ育った埼玉県北本市も田舎ながらにうどん屋が多くありました。幼い頃、家族で食事に行くと両親や一番上の姉が「冷や汁うどん」というものを食べていました。簡単に説明するとゴマみそ味のめんつゆにきゅうりの輪切りが入り、ざるうどんをつけて食べる料理です。3人兄弟の末っ子だった私は子供用のうどんを頼むものの、実はその冷や汁うどんが一番食べたいものでした。
これ、つけ汁も冷たくて暑い夏に食べるととっても美味しいんです。「一口ちょうだい」なんて言ってはもらっていたのをよく覚えていま す。しかし、この料理が郷土料理と知ったのは大学生になってから。皆さんも、幼い頃は当たり前だった料理、風習、気候、それは全てそ の土地の文化だったということを大人になってから気付くことが多くありませんか。中でも食文化は、食事の中から季節や歴史を感じるとてもいい食育になると思っており、私自身も3歳になる息子にこれからもどんどん食文化に触れさせていきたいと思っています。

埼玉の暑い夏に適した「冷やしうどん」

埼玉県は昔から農業が盛んな土地でした。その農業の合間に食べるものとして生まれたのが「冷や汁うどん」だったと言われています。
読者の皆様もご存知の通り、埼玉の夏は暑いです。この暑い夏の日の農業の合間に、冷たいうどんをすすって体力を回復したのでしょう。
材料に含まれるゴマは、昔から「不老長寿の薬」と言われており栄養の宝庫。特にセサミンには抗酸化作用があり、老化防止、肝機能の改善、悪玉コレステロールの低下などの働きを持ちます。吸収を上げるためには「冷や汁うどん」のようにすり鉢ですって硬い皮を壊し、中の栄養を出すことがおススメです。きゅうりは、成分の95%が水分で すが、ビタミンCやカリウムが含まれていま す。特にカリウムは利尿作用があるのでむくみやだるさの解消に効果を持っています。うどんに含まれる炭水化物も三大栄養素(脂質・タンパク質・糖質)の一つであり、体のエネルギーとなって私たちの生活を支えてくれます。薬味の大葉にはカロテンが多く含まれ、体内でビタミンAとなって目や粘膜の健 康維持に不可欠です。ミョウガの香り成分の 中にはアルフェピネンという食欲増進や消化促進といった効果があげられます。 例年、猛暑が続く中、来年の夏は「冷や汁うどん」で元気に乗り越えられることを願っております。

冷や汁うどんレシピ

<材料(2人分)>
うどん ・・2玉
白ゴマ ・・大さじ4
味噌  ・・大さじ2
砂糖  ・・大さじ1
大葉  ・・3枚
きゅうり・・1/2本
ミョウガ・・1個
冷水  ・・200㏄

<作り方>
【準 備】
①きゅうりは薄い輪切り、大葉とミョウガは 千切りにする。
②うどんを茹でてザルに開け、冷水でしめる。

【味噌だれを作る】

〈すり鉢を使った方法〉
①すり鉢にゴマを入れ、油がにじむぐらいまでする。
②①に砂糖と味噌を入れてよく混ぜる。
③②に輪切りにしたきゅうりを入れ、きゅうりの水でゴマがしんなりとしたらミョウガ、冷水を入れよく混ぜる。

〈ミキサーを使った方法〉
①ミキサーにゴマ、砂糖、味噌、冷水1/4をいれねっとりするまで混ぜる。
②①に残りの冷水、きゅうり、ミョウガを入れる。

【仕上げ】
うどん、味噌だれを盛り付ける。味噌だれの上に大葉をのせる。