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宮城県の郷土料理 「すっぽこ汁」 ─宮城県大崎地方─
2017年03月15日
私の故郷である宮城県には、多くの方がご存知の「ずんだ餅」「牛たん」「笹かまぼこ」などたくさんの郷土料理がありますが、今回私が紹介するのは、「すっぽこ汁」というなんともかわいらしい名前の郷土料理です。
精進料理として伝わる郷土料理で、主にはお盆やお彼岸に食べられています。しかしながら、私は今ごろの寒い時期や学生の頃の夜食など、祖母や母に作ってもらいよく食べていました。
一杯の満点栄養バランス
「すっぽこ汁」は旬の野菜に干ししいたけ、油揚げ、豆腐、こんにゃくなどをだし汁で煮て、少しとろみをつけます。その汁を「白石温麺」(しろいしうーめんと読みます)という、宮城県南地域にある白石市の特産品の9cm程の短い、製造する過程で油を使わない麺にかけたものです。
「すっぽこ汁」は、仙台圏、県南地域、県北地域、沿岸地域と宮城県内でも、地域や家庭によって材料は異なるようです。
私の実家のある大崎地方は、宮城県内の北部に位置し、宮城県内の米どころである大崎平野が広がります。この地は米だけでなく、多くの種類の野菜も作られています。その土地で作られたじゃが芋、人参、大根、ごぼう、ねぎ、せりなどの野菜や干しシイタケなどのきのこ類、豆腐、油揚げ、こんにゃくな
どたくさんの具材が入るお汁です。こるらの野菜が入るため栄養価はとても高いです。カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、鉄分、食物繊維、また、豆腐や油揚げからは良質なタンパク質が摂取できます。そして麺が入ることでエネルギー源にもなります。
たった一杯のお汁で栄養のバランスがとれて、お腹も心もホッコリするこの「すっぽこ汁」の作り方を紹介します。とても簡単です。是非作ってみてはいかがでしょうか?
「すっぽこ汁」の作り方
<材料(3〜4人前)>
白石温麺 100g
(なければ素麺を半分におる)
じゃが芋 150g 人 参 100g
大 根 100g ごぼう 100g
ね ぎ 1/2本
干しシイタケ 4、5枚
豆 腐 100g 油揚げ 50g
こんにゃく 100g せ り 少量
だし汁 600cc
シイタケのもどし汁 300cc
醤 油 50cc 酒 30cc
みりん 20cc
食 塩 小さじ1/2
片栗粉 15g 水 30cc
<作り方>
1.干しシイタケは戻して薄く切り、もどし汁はとっておく。
2.材料を切る。
じゃが芋、人参、大根…いちょう切り。
ごぼう…ささがき。水にさらしておく。
こんにゃく…2センチの色紙切りにして、下茹でする。
油揚げ…油抜きして短冊切り。
木綿豆腐…1.5センチ角切り。
長ねぎ…小口切り
せり…1センチ幅に切る。
3.だし汁で、人参、大根、ごぼうから煮る。10分程煮たらじゃが芋、こんにゃく、油揚げ、シイタケを加える。
4.じゃが芋が柔らかくなったら木綿豆腐、食塩以外の調味料を加え、長ねぎも加える。
5.食塩で味を整え、水溶き片栗粉でとろみををつける。
6.麺を茹で、器に盛りつけ、麺のうえに汁をかけて、せりを乗せて出来上がり。
汁の具材は、季節によって結構かわります。夏には茄子やいんげんや茗荷を入れたり、秋にはきのこ類をたくさん入れた
り、じゃが芋を里芋に変えたり…
宮城県の郷土料理「すっぽこ汁」、季節ごとに楽しんでいただきたいです。