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栄養満点!納豆を食べよう! ─茨城県─

2018年08月31日

 いまやごはんの定番のお供である納豆。納豆の発祥の地とされる場所は、全国でも数か所あり、秋田県横手市には、納豆発祥の地と書かれた石碑があるそうです。
 発祥地はいろいろあれど、納豆生産量は茨城県が日本一。茨城県民として納豆の魅力を改めて伝えたいと思います。

水戸の納豆の歴史

 水戸と言えば納豆、というイメージはどこから来たのでしょうか。
 納豆生産量国内1位である茨城県は、大豆も関東で一番多く生産されています。
 さかのぼること江戸時代、栃木県那須岳から県の中央を伸びて太平洋に注ぐ那珂川沿いでは水害が頻発していました。水戸藩は、水害が頻発していた地域に、台風が来る前に収穫できる、早生大豆作りを奨励したそうです。しかし、早生大豆は粒が小さく、豆腐やみそといった加工には不向きだったため、納豆を作るようになりました。県内では一般的に普及していた小粒の納豆ですが、明治時代に常磐線が開通し、水戸駅ホームでわらに包まれた納豆が販売されるようになると、豆が小さく、ご飯に絡みやすくておいしいと評判になり、茨城のお土産として全国に知られるようになったそうです。

おすすめの納豆食品

 現在、県内には、創業100年を超える天狗納豆や、くめ納豆、だるま納豆など、有名な納豆メーカーが多数あります。その中でも、お薦めしたいのは、常陸大宮市にある「舟納豆」です。舟納豆は、食感がしっかりしていて香りがとても良い、県内でも評判が高いメーカーです。納豆にしては価格が高めですが、渡し舟に見立てた包装で品があり、土産物としても人気があります。
 また、茨城県内でよく食べられている食品に、「そぼろ納豆」があります。他県での知名度はわかりませんが、県内では当たり前のようにスーパーで売られるご飯のお供です。戻した切干大根を細かく切り、納豆と一緒に漬け込んだもので、切干大根のパリパリ感が実においしい一品です。漬け込むだけで簡単に手作りできるので、お酒のお供や、温かいご飯にのせて、また、お茶漬けにしてサラサラ頂いても美味しいので、食欲のなくなるこの時季にもお薦めです!

納豆の栄養

 納豆には、人間が健康維持をするために必要不可欠な5大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル)がすべて含まれ、さらには、第6の栄養素と言われる食物繊維も含んでいます。大豆の30%はタンパク質で構成され、体内では作ることが出来ない必須アミノ酸がバランスよく含まれており、肉や卵に負けない良質なタンパク質と言えます。また、大豆には総コレステロールを下げる大豆レシチン、ビフィズス菌を増やす作用のあるオリゴ糖、血中脂質の低下が期待できる大豆サポニン、骨粗しょう症や更年期の不調を改善する大豆イソフラボンが含まれています。近年になって納豆の研究も進み、血液をサラサラにして血栓を作りにくくするとされる強力なパワーを持つナットウキナーゼ、腸内環境を整えてくれる納豆菌など、様々な健康成分が存在することが分かっています。脳梗塞や心筋梗塞、骨粗しょう症の予防、さらにはアンチエイジング効果まで期待される納豆。毎日食べなくてはもったいないですね。

ごはんのお供~納豆レシピ~

 今回紹介するメニューは、納豆と、豚肉、梅を合わせたさっぱりとした一品です。
 豚肉のビタミンB1量は、牛肉や鶏肉に比べて10倍近く多いとされています。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える手助けをしてくれるため、不足すると血中に糖質が余り脂肪として蓄えられてしまいます。また、納豆にもビタミンB1が多く含まれていますので、ご飯などの糖質と食べることで効率よくエネルギーに変えてくれます。そして、米が不足している必須アミノ酸のリジンを、納豆が補い栄養価を上げてくれるので、納豆とご飯の組み合わせは、本当によくできたものだと感心します。また、ビタミンB1には美肌効果と疲労回復の効果があります。納豆と豚肉を食べて、残暑を乗り切りましょう。

納豆と梅しそのロールかつ

<材料(2人分)>
・納豆 1パック ・納豆のたれ 1袋
・梅干し 適量 ・大葉 6枚
・豚肉(生姜焼き用) 6枚
・塩コショウ 適量 ・薄力粉 適量
・溶き卵 適量 ・パン粉 適量
・揚げ油 適量 ・千切りキャベツ適量

<作り方>
①納豆にたれを入れてよく混ぜる。
②梅干しは種を取ってほぐし、大葉は洗って軸を取る。
③豚肉に梅干し、大葉、納豆をのせて手前から巻き、塩コショウをする。
④薄力粉、溶き卵、パン粉にくぐらせ、中温でこんがり揚げる。

ぜひ醤油をかけて召し上がってください。